アヤメ(菖蒲)・カキツバタ(杜若・燕子花)・ショウブ(菖蒲)と言う位によく出てきますが、
花を観賞するのは全てアヤメ科の多年草。
ショウブと言うのはショウブ科(旧サトイモ科)に属する全くの別種で、
端午の節句に菖蒲湯とするのはこちらの方。区別するためにハショウブと呼ぶこともあり、
花を愛でるのは正確にはハナショウブになります。
菖蒲湯のするショウブは葉が刀剣に似ており、発音が「尚武」に通じる事から
端午の節句に使用されるようになったようです。
水無月には相応しい花ですが、この区別が意外と難しい。
潮来に【行った頃】に頂いたパンフにはその見分け方が記載してありますが、
このようなパンフを配らなければいけない位程、難しいと言う事でしょう。

潮来で頂いたパンフレット
私なりにまとめると、
(咲く場所) 水辺;カキツバタ、ハナショウブ 乾いた畑;アヤメ、ハナショウブ
(背丈) アヤメ(30~60㎝) < カキツバタ(50~70㎝) < ハナショウブ(80~100㎝)
(花の大きさ) アヤメ < カキツバタ < ハナショウブ
となりますが、ハナショウブが水辺・乾燥地の両方に咲くのが厄介です。
<関東>
長谷山 本土寺(日蓮宗本山 東国花の寺百ヵ寺千葉二番)

海雲山 長勝寺(臨済宗妙心寺派)

<中部>
八橋山 無量壽寺(臨済宗妙心寺派)

中国と日本で漢字の表すものが異なるのは間々ありますが、菖蒲もその一つ。
古語ではショウブを「アヤメ」と呼んだそうなので、益々混乱してきます。
結局、「菖蒲」の漢字は。「アヤメ」「ハナショウブ」「ハショウブ」の3つを表す事になっています。
(岩波『図書』2019年6月号 円満字二郎「漢字の植物園in広辞苑⑧」)
<近畿>
妙見山 應聖寺(天台宗 関西花の寺二十五霊場第八番)

神護山 芳徳禅寺(臨済宗大徳寺派)

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和辻鉄丈の個人巡礼 古刹と絶景の健康ウォーキング(御朱印&風景印)
水無月に入りコロナ騒動もやや下火に。
紫陽花の【頃な】のですが、各地では未だ自粛ムードが続いています。
そこで過去の巡礼からのリモート鑑賞を試みました。
紫陽花と書いて「アジサイ」と読みますが、この語を造ったのは中唐の詩人白楽天(白居易)。
あるお寺に咲いていた名前の分からない花を見て 『色紫にして気香(かんば)し』
と思って 「紫陽花」 と名付けたと、『紫陽花』 と言う詩の序文に記しています。
日本で「紫陽花」 に「アジサイ」 の訳を付けたのは源順(みなもとのしたごう)。
『倭名類聚抄』 にありますが、紫陽花は余り香が強くないので
白楽天の 「紫陽花」 はアジサイではないと考えられています。
では何故 「紫陽」 の語を用いたかと言うと、この語の持つ仙界のイメージのようで
楽天自身 『頗る仙物に類す』 と書いています。
平安貴族の必読書であった白氏文集を読んでいた源順も
この仙界のイメージを元に「アジサイ」を選んだのだと思われます。
(岩波『図書』2019年6月号 円満字二郎「漢字の植物園in広辞苑⑧」)
<関東>
羽黒山 覚城院 二本松寺(天台宗)

長谷山 本土寺(日蓮宗本山 東国花の寺百ヵ寺千葉二番)

<中部>
清源山 智識寺(真言宗智山派)

紫陽花の謂われとしてはよくわかる説明ですが
楽天が詠んだ 『気香し』 は何だったのか?
ライラックとも言われますが結局は【白氏】に戻った状態。
仙界のイメージは雨中に浮かんだ光景よりも、土壌の性質で色が変化する事に拠るのでしょうか?
江戸末期に長崎に来日したシーボルトが紫陽花をヨーロッパに紹介した際に、
妻 「お滝」 の名を採って、H.Otaksa と学名を付けましたが、
後に以前に登録の植物と同種と分かり使われなくなりました。
紫陽花には色々な逸話がありますが、なにか疑問点が残るのが特徴。
それで良しとなるのも【楽天】的ではありますが…。
<関西>
立願山 楊谷寺(西山浄土宗 新西国三十三ヵ所第十七番札所)

補陀落山 観音寺(真言宗 関西花の寺の二十五ヵ所霊場第一番札所)

大澤山 久安寺(高野山真言宗 関西花の寺二十五霊場第十二番)

(甘茶)
建仁寺塔頭 霊源院(臨済宗建仁寺派塔頭)

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