かくありし時過ぎて、世の中いともの憂く、兎にも角にもつかで世に経る男ありけり。
かたちとても人にも似ず、こころ魂もあるにもあらで、かう物の要にもあらであるも理と思ひつつ、
唯終日明かし暮らすままに世間に多かるぶろぐ、ほおむぺいぢの端などを見れば、世に多かる旅行記などあり。
人にもあらぬ身の上まで書き記して珍しき様にもありなむ、天下の人の閑を過ぐしたるやと問はん試しにもせよかし、
と思ゆるも、過ぎにし年月の事共覚束なかりければ、さてもありぬべき事なむ多かりける。
<超訳>
昨今、御朱印がブームになっています。有名な寺社では御朱印待ちの行列ができる所も珍しくありません。
期間限定のオリジナル御朱印を出している寺社もあり一層の拍車がかかっています。
このブームですが若い女性を中心に神社のパワースポットを巡るという事が嚆矢になった様です。
最近では御参り先で若いカップルが仲良く御朱印を拝受している姿を見る事も多くなってきました。
御朱印は写経の証としてお寺が授与するのもですから若干違うと言う意見もあるでしょうが、
きちんと御参りしている訳ですから目くじらを立てる程の事もないでしょう。
書店では御朱印や巡礼に関する書籍が並び御朱印帳も販売されています。かつては巡礼先で購入しようとしても
御朱印帳がなく書いたものを購入して貼付した事もしばしばでしたが今ではそんな心配は無用。
今から御朱印を始めようとしても方法に迷う事もないでしょう。『少しの事にも先達はあらまほしき事なり』ですね。

平成30年に入手した御朱印帳
私が御朱印を始めた平成4年には御朱印をするのは年配の女性、いわゆる御婆さんばかりで
不思議と御爺さんはいませんでした。
納経所で出会う事があると「若いのに偉いわねぇ!」と感心され、お茶を御馳走になった事もあります。
今、自分がその年になってみると「若いのに偉いね!」と言うより先に、
向こうから「その年で偉いですね」と反対に声を掛けられそうな状況。
やはり四半世紀は大きいと言う事だと実感しています。
ネットでも皆さんが拝受された御朱印の印影がアップされており家に居ながらにして楽しむことが出来ます。
これも通信技術のお蔭でしょうが、いま己の来し方を振り返ってみると色々と紆余曲折がありました。
御朱印の意味も分からずにお金ばかり掛かった初期、巡礼に行ったものの仏教に無知で頓珍漢な対話しかできずに
冷や汗をかいた事、今では良き思い出になっています。
朧気な記憶と御朱印を見返しての回想ですが、皆さんの巡礼の一助になれば幸甚です。

平成4年に開始した時の御朱印帳 左;近江編、 右;京都編
[参考書]
発売して3年経ちますが御朱印のバイブル的存在。御朱印の意味や各地の拝受できる場所の一覧、オリジナル御朱印帳も掲載。
入門はこれ1冊で事足りますが、巡礼先での未知の御朱印を期待している人には不向き?
![]() |
新品価格 |

ランキングにポチっと応援頂ければ嬉しいです!

神社・お寺巡りランキング

御朱印ランキング

にほんブログ村

にほんブログ村