<コース> 冬の青春18きっぷ使用 バスは日中30分間隔で運転
【往路】JR大阪(5:55) → JR姫路(7:30→7:31) → JR岡山(9:08→9:11) → JR福山(10:10)
福山駅前(10:30) → (バス) → 鞆港(11:02) → レンタサイクル20分 → 阿伏兎観音 → レンタサイクル20分 → 鞆の浦 → 淀媛神社 → 医王寺 → 明圓寺 → 沼名前神社 → 小松寺 → 備後安国寺

瑞雲山 安国寺(臨済宗妙心寺派)
寺社の並ぶ寺町を北上した端にあるのが備後安国寺。重文の釈迦堂と庭園で知られます。
山門を抜けると禅宗らしく白砂が整えられた庭を抜け寺務所へ。
右手に堂宇が見えますが、これは寛永9年(1632年)に藩主水野勝俊が
夭逝した子を弔うために建立した観音堂。昭和初期に再建されているそうです。
寺務所の奥の細い参道を抜けた先にあるのが釈迦堂。外からも外観は見えますが、
折角来たのだからと拝観料¥150を払って入山。

沼名前神社の前の道を進むと現れる道標

南向きの山門
瑞雲山安国寺(ずいうんざんあんこくじ)は、
『鎌倉時代の文永10年(1273年)に無本覚心(法燈国師)に拠って創建された金宝(きんぽう)寺が嚆矢。
創建当時は三門・仏殿・法堂・衆寮などの七堂伽藍が聳える壮麗な寺院であったという。
南北朝時代の暦応2年(1339年)、足利尊氏の命で法燈国師の法孫愚谷和尚が安国寺と改名して開創。
尊氏にとって備後領内での重要な土地は尾道と鞆の津であった事から塔を尾道の浄土寺に建立し、
鞆の金宝寺を改称させたのだとされる。
しかし文献の上に安国寺の名称が最初に見られるのはかなり時代が下った応永6年(1399年)である。

山門から見た境内
左側が書院と庫裏、右が観音堂。

「瑞雲山」の扁額が掛かる書院
室町時代には繁栄したが戦国時代には一時衰退していたものを、天正元年(1572年)安芸の安国寺の
出身である安国寺恵瓊が京の南禅寺から移り毛利輝元を大檀越として再興に着手。
天正7年(1579年)に釈迦堂及び庭園が再興された。
子院塔頭も多く存在し、現在の釈迦堂を中心に海岸まで伸びる境内を持ち寺観も整えたが江戸時代には再び衰微。
その後、明治・大正にかけてその極に達し、大正9年(1921年)の本堂焼失後は廃墟化、庫裏も俗家と化し、
唯一荒廃した釈迦堂が残るのみであった。
その後、歴代の住職の努力に拠って境内が整備、仏像も解体修理されるなど、文化財としての保存が進んでいる。

蘇鉄の奥に建つ観音堂

境内の土塀越しに見た観音堂
境内全域が県の史跡に指定されている他、金宝寺に由来する鎌倉時代の建物や仏像が現在も保存されており、
釈迦堂と堂内の木像阿弥陀三尊像・木造法燈国師坐像は国の重要文化財に指定されている。
釈迦堂は金宝寺の仏殿として建てられたもので、鎌倉時代に禅宗と共に入って来た唐様の典型的なもの。
唐様建築としては日本でも最古に属する名建築である。』 とあります。

観音堂前から山門を見る

土塀越しに見た国宝・釈迦堂

安国寺由緒記
安国寺は室町初期に足利尊氏が全国に建立した寺院。戦没した死者の霊を弔う意向ですが、
新規に寺院を建立しただけでなく既存の寺院を転用する場合もあったようです。
日本史上の将軍家の中で、その経済基盤である荘園所有が最も少なかったのが足利家。
加えて建武の新政で後醍醐天皇が真っ先に内裏の新築を行って世間の顰蹙を買った事も影響していると思えます。

正面から見た国宝・釈迦堂

唐様建築の典型 釈迦堂正面の近影
その後の衰頽の危機を救ったのが安国寺恵瓊。毛利家の外交僧として活躍し、豊臣政権下では
6万石の国持大名にまでなった傑僧。いくら戦国時代とは言え、僧侶が大名までのし上がったのは
尋常ではありませんが、恵瓊は安芸の守護であった武田氏の流れ。
毛利に亡ばされた主家の復興を別な形で果たしたと言えます。

釈迦堂の「大雄宝殿」の扁額

釈迦堂内部と天井
着座の像は重文・木造法燈国師坐像。

天井の組物群と蝦紅梁
大檀越は毛利家ですが実際に動いたのは恵瓊。禅僧としての名乗りは瑶甫恵瓊ですが、安国寺恵瓊と
呼ばれるようになったのは故なしとはしません。尤も彼の場合は広島市内の安芸安国寺ではありますが…。
こんな状況も関ヶ原で一変。庇護者を失った当寺は一気に衰頽します。
西軍の大名の中で戦後処刑されたのは3名。その中に入った事でも東軍の恵瓊に対する悪印象を感じます。
江戸時代の福山藩は譜代大名が入ったので復興は益々遅れる事に。
漸く近年になって長い【暗黒時】を抜ける事が出来たようです。

後方の庭園から見た釈迦堂全景

安国寺説明書

安国寺御朱印 (平成6年拝受)
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