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室津の町並み (兵庫県たつの市御津町室津)

2022.06.27(21:47) 1154

海の宿駅の町並み (2022.3.12)

<コース> 春の青春18きっぷ使用
【往路】JR大阪(6:00) → JR姫路(7:30→7:31) → JR岡山(9:08→9:11) → JR倉敷(9:28→9:52) → JR相生(11:18→11:21) → JR網干(11:30)

駅前レンタサイクル → 50分 → 室津入口 → 室津漁港

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室津の町並み

 港町室津の町並みは、歩いても15分程度ですが、ここかしこにかつての繁栄が偲ばれる家屋があります。

『入口の坂を下った先に建つ家屋は「嶋屋」の遺構。嶋屋は近世から近代にかけて廻船問屋として活躍した豪商で、

現在の建物は嶋屋(三木)半四郎が江戸後期に建築。明治6年(1873年)に増築している。

切妻平入本瓦葺二階建てという室津の町屋の特徴を良く残しており、座敷回りの意匠が優れている。

二階建てが許されなかった当時としては珍しく、嶋屋の繁栄振りが偲ばれる。

現在は「たつの市立室津海駅館」として、海の宿駅として栄えた室津の歴史を展示、研修所としても利用されている。

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室津港へ向かう坂道からの眺望

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坂を下った先に建つ「たつの市立室津海駅館」
近世に豪商として活躍した廻船問屋「嶋屋」の遺構。

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海駅館の案内板

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港側に面した「海駅館」の部分

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海駅館の内部

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海駅館の向かいの建物
今は商店のようだが、二階の張り出しを見るとかつては旅籠だったような…。

 さらに海岸線に沿って進んだ左側にあるのは旧魚屋。海藻類や生活物資を主に扱った。

江戸時代には名字帯刀(豊野家)を許され、姫路藩の御用達を務めた豪商の遺構である。

建物に対面する海側には惣会所や高札場を始め、本陣肥後屋や筑前屋が軒を連ねていた。

本陣が手狭な時は豪商の家にも分宿したので、魚屋には大名専用の入口、1階の奥座敷、

2階の上段の間があり、20室150畳を超える規模の建物であった。

建物は大型町屋であるが、一階入口の吊り上げ式二重戸、一階裏側の隠し階段など、

他の室津の町屋にはない仕組みがある。また二階の土間上は室津では珍しい虫籠窓となっている。

今は「たつの市立室津民族館」として江戸時代の古地図、漁業関係資料の展示を行っている。

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海岸に沿った街道沿いに建つ「たつの市立室津民俗館」

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「民俗館」近影
かつての豪商「魚屋」を改修したもの。

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民俗館の二階部分
張出し武と虫籠窓が見える。

 室津には、肥後屋・肥前屋・紀伊国屋・筑前屋・薩摩屋・一津屋の六つの本陣があったが、

昭和40年代にこれらの建物は姿を消し、かつてあった場所に石柱が建つのみである。

これらを含めかつてあった旧跡には計21本石柱が建っている。』 とあります。

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街道沿いに建つ「本陣 紀伊国屋跡」

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「清十郎生家跡」
西鶴作の「お夏清十郎」の清十郎の生家があったとされるが、今は名残を留めていない。

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街道を隔てた民俗館の向かいの建物
普通の民家であるが、昔風の造りとなっている。

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民家の側面は舟板塀か?

 民族館・資料館に加えて、たつの市室津出張所・室津診療所など旧町屋を使用したものは多く、

室津派出所も新しいですが、古い町並みに考慮した造りとなっています。

空き家あるいは公共施設として残すよりも実際に生活する場所として残す方が遥かに大変ですが、

その辺りを上手く対応したと言えるでしょう。

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室津診療所

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室津駐在所

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たつの市室津出張所
左の自転車はこの日の相棒。

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出張所は姫路藩 御茶屋跡、朝鮮通信使宿舎跡に建つ

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駐在所の向かいにある町屋を利用した料亭

 町並みは港入口から賀茂神社への参道付近までの1㎞余りで、その先に建つのが室津小学校。

立派な校舎は室津の豪商からの援助もあったのでしょう。明治5年(1872年)開校の伝統校ですが

2021年3月末で御津小学校に統合され150年の歴史に幕を下ろしました。

最近まで伝統ある校舎が使用された小学校は、室津の他にも開智(長野)・吹屋(岡山)・登米(宮城)等がありますが、

老朽化と言うよりも生徒数の減少が主な原因。

しかし中には滋賀県の沖島小学校の様にそこでの教育に憧れて校区外から入学する人も居るとか。

教育というものの根本に立ち返る必要がありそうです。

室津に今に残ったものを見る限り、鞆の浦と似た状況ですが、観光客の数は雲泥の差。

映画の舞台になった云々もあるでしょうが、やはり公共交通機関の少なさがネックなのでしょうか?

町としてはより多くの観光客が望まれますが、この静かな姿を保って欲しいと思う気もします。

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賀茂神社への参道の曲り角の町屋

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町屋の間から見える港

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今は閉校となったなった室津小学校

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