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稲蔵神社 生駒の天孫 (奈良県生駒市小明町) <稲蔵神社 其の弐>

2022.08.25(20:28) 1211

磐座から稲蔵へ(2022.5.2)

<コース>
鶴橋 → (近鉄急行) → 生駒 → 徒歩10分 → 生駒台〒 → 徒歩10分 → 稲蔵神社

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稲蔵神社
玉垣に囲まれた御神体の烏帽子岩。左が拝殿、奥が本殿。

 稲蔵神社は、

『矢田丘陵の麓、いかるが三十六峰の一つとされる稲蔵の森に鎮座。

地元に伝わる話では古代より存在した社と言う。

境内にある烏帽子石が神の鎮座する磐座とされる。

 天照大神の御孫、饒速日尊(にぎはやひのみこと)が大神より賜った十種の神宝を奉じて

天の磐船に乗り、河内の哮ヵ峰(たけるみね)に天降になった際、共に天降った生魂(いくむすび)、

大宮能御膳神(おおみやのみめけつのかみ)の二柱がこの烏帽子石に宿ったとされる。

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種々の巨石に囲まれた稲蔵神社拝殿

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拝殿前の通称‘お化け灯篭’
稲蔵神社から日露戦争に出征した13名の内、生還した12名が感謝を込めて建造したもの。

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灯篭上部の近影

 生魂は生命の神、大宮能御膳神は五穀豊穣の神で、この二柱はその霊験が極めてあらたかで、

古来より稲蔵大神、稲蔵(大)明神と称せられて多くの人々に信仰されてきた。

稲蔵明神は小明(こうみょう)村の鎮守として、稲蔵寺の鎮守として奥之院とも呼ばれている。

 老樹が生い茂る長さ30m、横24mの稲蔵の森の境内には、高さ6m、周囲12mの烏帽子石をはじめ、

行場の滝、本殿、拝殿、社務所の他、行者、白川大明神、七森姫、伏見稲荷等の神々が

溝社を中心に奉祀されて、多くの社がある。』 とあります。

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南側から見た拝殿と烏帽子岩

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烏帽子岩近影

 本殿の横には玉垣に囲まれた烏帽子岩、手前には巨石を組み合わせた石灯籠(通称お化け灯籠)、

奥には165基の石でできたお塚と、さながら巨石の展示場の様相。

 灯籠とお塚は人工のものですが、烏帽子岩は自然石。古代人の磐座信仰の証でしょう。

社名は稲蔵ですが、元は磐座(いわくら)だったものが、後世稲荷信仰が入り込む事で

稲蔵(いなくら)に変化したと思いますが、どのような【いわく】があったのでしょうか?

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烏帽子岩横に建つ本殿

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柵越しに見た本殿

 信仰の対象となった巨石群に加え、小明町は竜田川と天の川の分水点でもあります。

また、ここからは生駒山に沈む夕日を見ることが出来、

時には鳥居の上空に太陽を包む虹(ハロ)が出現することもあるとか。

続日本紀には721年に平城京の皇居上空にも出現した記録が残ります。

そんな場所に古代人が霊験あらたかなパワースポットを感じても不思議ではありません。

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登山道から見た本殿と拝殿

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本殿背後の白河大明神のお塚群

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大阪倉満講社の寄進に拠る

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お塚全景
やはり伏見稲荷関係が多い。

 もう一つの特徴は饒速日(ニギハヤヒ)尊で、皇室の祖先神である瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)とは別の天孫降臨神。

ニギハヤヒと言えば、天の磐船に乗って降臨したのが大阪府交野市の磐船神社と言うのが知られていますが、

生駒の北部にも降臨したとの神話があります。

 磐船神社から生駒を越えて東にあるのが稲蔵神社で、どちらも巨石が特徴。

その関わりから共通の神を頂くようになったのでは、と想像が膨らみます。

ニギハヤヒの子孫とされるのが古代豪族の物部氏ですが、

河内を本拠地とした物部氏の勢力は生駒まで伸びていたのかもしれません。

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お塚と碑

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伏見稲荷を祀る祠

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山の高台から境内全体を望む
広くはないが、命の杜に育まれた社と言った雰囲気である。

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本殿脇の連理の杉

 参拝の後は、御朱印を拝受すべく神司(かんづかさ)さんの御自宅へ。

運よく庭木の手入れをされていたので、参道の向かいの社務所兼休憩所で拝受してお話を伺いました。

 森田神司が言われるのには、

神司;「御朱印の印は、風景印を元にしています。」

和辻;「局長さんは、こちらにことわってデザインを採用されたと仰っていました。」

神司;「「昔はニギハヤヒの子孫であることを隠していたが、今は誇りに思えるようになりました。」

との事。

宮司さんの家系かと思いきや、㈱そごうに定年まで勤められたサラリーマン。

唯、生家が農家組合から委託され、稲蔵神社境内に社務所兼茶店を営んでおられた由。

50歳を前にして、伏見稲荷大社の神職資格を取得。

定年後は小明(こうみょう)地区で神事に奉祀されています。

郷土を愛する姿勢と、御自身も見事な第二の人生を歩んでおられる姿に頭が下がる思いでした。

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稲蔵大明神記

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稲蔵神社御朱印

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