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周防阿弥陀寺 仁王門から山門へ (山口県防府市大字牟礼字上坂本) <阿弥陀寺 其の弐>

2022.08.27(23:49) 1213

開山の意志を感じる石(2022.5.4)

<コース>
【往路】JR新大阪(6:00) → (山陽新幹線) → JR新山口(8:18→8:28) → JR防府(8:44)

防府駅観光案内所 → レンタサイクル30分 → 阿弥陀寺 → レンタサイクル15分 → 周防国分寺 → レンタサイクル3分 → 防府天満宮 → レンタサイクル10分 → JR防府駅(12:23)

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東大寺別院 華宮山 阿弥陀寺(華厳宗・真言宗御室派兼務)

 入口に建つ地蔵堂に続くのが茅葺の仁王門。

更に仁王門から山門までは結構な数の石段を上りますが、

その初めと終わりには石に所縁のものが残っています。

 『かつての仁王門は永禄8年に破壊されてから120年間再興が無く、

貞享2年(1685年)毛利就信に拠り原型に倣って再興された。

安置されているのが重文の金剛力士像。檜の寄木造で玉眼を嵌入、

力量感溢れる表現は鎌倉時代初期の快慶一派の作と考えられる。

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仁王門に掲げられた「華宮山」の扁額

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仁王門説明板

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重用文化財・木造金剛力士像
こちらは右側の阿形像。

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金剛力士像説明板

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阿形像の顔面近影

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左側の吽形像

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境内側から見た仁王門

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仁王門周辺に咲く射干(シャガ)

 仁王門を過ぎた直ぐ右手には東大寺再建のため木材の切り出しに従事する人夫のため、

重源が湯屋を建設したものが文化財として今に残っている。

湯釜と湯船を別々に設けた鎌倉時代の古い様式を伝えたものである。

加えて後代にもう一つ石風呂が造られ、こちらは現代のサウナに相当するものである。

今でも毎月第一日曜日に焚かれ、一般入山者も利用することができる。

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手前に建つ湯屋

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湯屋説明1

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湯屋説明2

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湯屋の内部

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こちらは奥にある石風呂
右の木の扉から入る。

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石風呂説明

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石風呂入口付近

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入口扉上に置かれた文様瓦

 石段を登り観音橋を過ぎると行く手に山門が見えるが、その手前に重源上人が

腰掛けたとされる霊石と、阿弥陀如来の御姿が御立ちになった影向石があり、

その霊示に拠ってこの場所に阿弥陀寺を建立した。』 とあります。

いかにも山奥の古刹に辿り着いた感がありますが、続く茅葺の仁王門を見ると益々その感が強調されます。

仁王門自体は江戸時代の再建ですが、原型に倣った形にしたのが吉と出ました。毛利の殿様の粋な計らいです。

山門前の影向石は寺の謂れともいうべき霊的なもので、他の寺院でも見られますが、

仁王門を過ぎた場所の石風呂は開山の人間性を感じさせる建造物。

木材の切り出しに従事した人達には対価が支払われた筈ですが、

それに加えて石風呂を造ることで杣人の仕事の能率アップを図ったと見て良いでしょう。

リフレッシュに加えて医療効果もあったようで、石が【医師】の代わりを務めました。

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仁王門を過ぎ石畳を上る

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観音橋にて

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石畳の奥に見える山門

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山門近影

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重源が腰掛けたとされる霊石

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これが影向石か?

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霊石と影向石の説明

 東大寺再建を命ぜられた重源の任務は再建のための勧進を行う事。

【債権】取り立てのような強引なやり方ではなく、あくまでも人の善意からと言うのが【かんじん】です。

重源は宗教の域に留まらず企画力・行動力があり、現代でも社長になれた人物。

重源を起用した後白河法皇は、遊び好きと言われていますが、人を見る眼は確かだったようです。

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山門手前左側にはあじさい園が

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時期は早いがあじさい花園の様子

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