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金勝寺 参道から山門へ (滋賀県栗東市荒張) <金勝寺 其の弐>

2022.12.29(19:28) 1334

杉と苔の参道を往く(2022.10.1)

<コース>
【往路】JR大阪(6:56) → (快速) → JR草津(7:57→8:02) → JR手原(8:09)

手原駅(8:30) → (こんぜめぐりちゃんバス) → 金勝寺(9:10) → 金勝寺 → 徒歩20分 → 道の駅こんぜの里りっとう(11:40) → (こんぜめぐりちゃんバス) → 手原駅(12:10)

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金勝山 金勝寺(天台宗)

 バスの終点で下車すると目の前が金勝寺。道路沿いにある入口は閉鎖中で、

停留所脇の志納所で入山料を納めてから階段を通って拝観する慣わしです。

 金勝山金勝寺(こんぜさんこんしょうじ)は、

『天平5年(733年)聖武天皇の勅願に拠り、平城京の東北鬼門を守る国家鎮護の祈願寺として、

東大寺の初代別当・良弁僧正が開基。良弁は金粛(こんしょう)菩薩と呼ばれた南都の高僧であった。

八世紀の半ばまで、近江の二十五別院を総括する金勝山大菩薩寺として法相宗興福寺の仏教道場であった。

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駐車場前の由緒記

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金勝寺図略

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駐車場からの眺め

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道路に面した入口は閉鎖中
奥に見えるのが山門。

 金勝(こんぜ)山は単独の峯ではなく、竜王山(605m)、鶏冠山(491m)等の山系を示す名称で、

北東方の阿星山、東方の飯道山と共に金粛菩薩の霊地とされる。

この地域には他にも長寿寺・常楽寺等、金粛菩薩の開基とされる寺院が多数知られ、

当寺も往時は36坊、25別院を有する湖南地域の中心寺院であった。

 弘仁6年(815年)、嵯峨天皇の勅願を受け、興福寺の高僧・願安が伽藍を整備し中興。

天長10年(833年)、仁明天皇に拠り、鎮護国家の僧侶を育成する官寺である定額寺(じょうがくじ)に列せられ、

金光明最勝王経の金勝陀羅尼品の「金勝」の勅額を賜り、金勝山金勝寺となった。

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志納所(受付)

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御朱印案内と蹄鉄絵馬

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石段を下り参道へ

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参道に建つ由緒記

 寛平9年(897年)宇多天皇に拠り、国費支給に拠る学業僧である年分度者二人を、

金勝寺で6年間山を降りず、専修する認可を受ける。

これは国家鎮護を祈願する神宮寺的性格を備えた寺院であった事の証左である。

その後、菅原道真や源頼朝・義経、足利尊氏・義詮ら多くの帰依を受け、江戸時代に至る間、

金勝寺は歴代の天皇、武家将軍から、綸旨、下知状、朱印状を賜り、保護され仏供田三十石を領していた。

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参道の向こうに見える仁王門

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参道脇の小さな五輪塔

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石畳の階段を上り仁王門へ

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参道脇の杉木立

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杉の根元に繁茂した杉苔

 明治の神仏分離令に拠り、仏供田三十石、境内山林は上地となり全くの無禄の寺となった。

これを嘆いた法圓法印は当時の法令に基づき、寺領の一部を金勝村に譲与するという

訴願の提起により下戻され、再興の兆しが見え今に至っている。』 とあります。

 道路は信楽まで続いているようですが、周りには人家・施設も皆無、

時々道路をツーリングするライダーの姿を目にする程度。

ガイドの方の話では住職も日中のみで、6㎞離れた大野神社近くの里坊から毎日通われているとか。

そんな場所ですが、というよりもそんな場所故に、静寂と自然に囲まれた聖域。

特に周囲に巨木が多いため日中も直射日光が入らず、久し振りに山寺らしい場所に来たという思いでした。

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仁王門前から来た参道を見返る

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仁王門近影

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仁王門に掲げられた扁額

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金剛力士阿像(右側)

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金剛力士吽像(左側)

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境内側より見た仁王門

 道を挟んで寺と反対側に生えるのが「金勝寺の千年杉」とも言われる「良弁(ろうべん)杉」。

開山が植えたそうですから、千年は優に越えており、寺の古さを良弁ならぬ雄弁に物語っています。

そこへ向かう途中、地面には一面に栗の毬(いが)が。

お寺に庫裏があるのは当然ですが、甲賀の郷の門前にまであるとは【いが】いでした。

生憎、中身は空でしたが【栗東】だけに、これ程の数があるのかもと思った次第です。

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良弁杉への案内板

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良弁杉

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良弁杉の途中には、こんなものが…。

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