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安養寺 鈎の陣跡 (滋賀県栗東市上鈎) <安養寺 其の壱>

2023.01.01(19:47) 1338

室町幕府のまがり角(2022.10.1)

<コース>
【往路】JR大阪(6:56) → (快速) → JR草津(7:57→8:02) → JR手原(8:09)

手原駅(8:30) → (こんぜめぐりちゃんバス) → 金勝寺(9:10) → 金勝寺 → 徒歩20分 → 道の駅こんぜの里りっとう(11:40) → (こんぜめぐりちゃんバス) → 手原駅(12:10)

栗東市観光協会 → (レンタサイクル7分) → 鈎の陣跡 → (レンタサイクル5分) → 安養寺 → (レンタサイクル10分) → 萬年寺 → (レンタサイクル5分) → 旧和中散本舗・六地蔵尊 → (レンタサイクル5分) → 新善光寺 → (レンタサイクル10分) → JR手原

【復路】JR手原(16:12) → JR草津(16:17→16:21) → JR大阪(17:12)

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鈎の陣跡

 山奥の金勝寺参拝と道の駅での昼食を済ませ、計画通りに手原駅に戻ると12時過ぎ。

ここからは駅周辺の巡礼の予定なので、駅舎二階の観光案内所でレンタサイクル。

 順序としては【遠攻近交】策を採用したので、先ずは名神高速栗東インターチェンジの

向こうにある安養寺を目指しますが、それに先立って縁の場所へ寄り道。

駅から道路を南下し、市役所の手前を西へ。坂を上って溜池と思しき場所を過ぎると池の傍らに石碑が並びます。

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陣跡を表す石碑

 鈎(まがり)の陣は

『長享元年(1487年)、室町幕府第9代将軍足利義尚(よしひさ)が、

近江守護佐々木六角高頼追討の名においてここ鈎の里安養寺に出陣し、

陣所とした事で知られる。

 尚、義尚は出陣から2年足らずの延徳元年(1489年)、上鈎の永正寺で25歳の若さで没。

指揮官を失った幕府軍は撤退した。

 その後の延徳3年(1492年)、第10代将軍に就任した義尚の従兄弟に当たる義材(よしき)が

再び六角高頼追討を行い高頼は伊勢に敗走した。

 この幕府に拠る六角追討はその元号を採って長享・延徳の乱と呼ばれるが、

鈎の陣と呼ばれるのは第一次の長享の乱である。』 とあります。

 鈎とは見慣れませんが「かぎ」「つりばり」として用いられる漢字だそうで、

それならば「まがり」の読みにも納得。石碑の場所が上鈎(かみまがり)なので

付近の字なのでしょうが、どのような理由で付けられたのかが【かぎ】ですね。

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陣跡には地元の学生の手になる歌碑が建つ

 石碑は陣跡だけでなく義尚や天皇の歌碑が建ちますが、これは平成30年度の

「創意工夫の郷作り」に拠るもの。由緒ある地名を守る地元の姿勢が見えます。

最初は「何故このような場所に」と不思議でしたが、前を走る道は旧東海道。

陣が置かれても不思議はありません。

 足利義尚は第8代将軍足利義政の長男ですが、長らく子供に恵まれなかった義政が

弟の義視(よしみ)を養子にしたと言う複雑な状況があり、これが応仁の乱に繋がりました。

 若い義尚としては己の力を示す必要があると思ったのでしょうが、【まがり】なりにも

幕府の将軍が自ら兵を率いて遠征するのはやや思慮に欠けると言うもの。

六角氏は地元民を駆使したゲリラ戦を展開しますが、これが義尚を衰弱させ早世に繋がったとも言われます。

年号と場所柄を考えて、もう少し相手方をうまく【調教】すると言った方法もあったと思えますが。

尚、ここで活躍した者が後世の忍者になったとの見方が有力です。

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陣跡から安養寺に向かう途中にある重厚な鈎家

 石碑を見た後は名神高速に向かって走りましたが、途中の家並みで見ると「鈎」の表札が。

偶々、通りがかった年配の女性に訊くと、「この辺りには結構多い苗字ですよ。」との事。

字を苗字にする位なので、昔から続く家柄なのでしょう。

「まがり」と聞くとつい「間借り」を想像してしまいますが、間借りどころか、

全て立派な門構えの名家と見ました。

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