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旧和中散本舗 (滋賀県栗東市六地蔵)

2023.01.07(19:53) 1344

神君の腹痛を治した和中散(2022.10.1)

<コース>
【往路】JR大阪(6:56) → (快速) → JR草津(7:57→8:02) → JR手原(8:09)

手原駅(8:30) → (こんぜめぐりちゃんバス) → 金勝寺(9:10) → 金勝寺 → 徒歩20分 → 道の駅こんぜの里りっとう(11:40) → (こんぜめぐりちゃんバス) → 手原駅(12:10)

栗東市観光協会 → (レンタサイクル7分) → 鈎の陣跡 → (レンタサイクル5分) → 安養寺 → (レンタサイクル10分) → 萬年寺 → (レンタサイクル5分) → 旧和中散本舗・六地蔵尊 → (レンタサイクル5分) → 新善光寺 → (レンタサイクル10分) → JR手原

【復路】JR手原(16:12) → JR草津(16:17→16:21) → JR大阪(17:12)

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旧和中散本舗(国重要文化財)

 安養寺、萬年寺と参拝を済ませた後は名神高速・草津線を越えて次の寺院へ向かいますが、

途中通るのが東海道。その街道沿いにあるのが旧和中散本舗。

「ワハハ本舗なら知っとるけど、旧和中散本舗は初耳やで」

などと冗談を飛ばす事勿れ。

手原駅のスタンプにもデザインされている市内では寺社よりも知名度の高い一番の観光地です。

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JR手原駅スタンプ

 手原駅から旧東海道を東へ1.5㎞行くと六地蔵のバス停。ここを少し過ぎ、

やや下り坂になった場所にあるのが旧和中散本舗(きゅうわちゅうさんほんぽ)である大角(おおすみ)家住宅。

『ここは旧東海道の草津宿と石部宿のほぼ中間にあり「間の宿」として栄えてきた。

この付近には旅人のため道中薬を売る店が数軒あり、大角弥右衛門家は

「和中散」を売る「ぜざいや」本舗として栄え、間の宿の茶屋本陣も務めた。

 慶長16年(1611年)野洲郡永原に滞在中の徳川家康が腹痛を起こし、

この薬を典医が持ち帰って献じた所、忽ち治ったので「和中散」の名を与えた。

そのため一躍その名を知られる事となった。

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六地蔵バス停付近に建つ古絵図

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旧東海道(江戸方面)からの眺望
街道を挟んで左が店舗、右が住居。

 現在の建物は寛永年間(1624~1644年)の建物をそのまま残したもので、

高塀造で両端に防火用の卯建壁を建て本瓦葺とし、一際大きな白壁が目を惹く。

本家の仕事場には直径4mの木製の動輪と歯車で操作される製薬用の石臼が

そのままの姿で保存されている。

 大角家では本舗に隣接して座敷を増築し、そこを「梅の木小休み本陣」とした。

因みに梅の木とは付近の旧地名である。公家・大名などが休泊しただけあって、

書院・奥座敷には曽我蕭白の襖絵があり、蜀山人もその書を残している。

幕末にはシーボルトもここに滞在した。

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店舗全景

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本家「ぜざい」と書かれた看板

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1・2階の庇部分

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武家屋敷風の門
店舗入口ではなく、屋敷への入口。

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塀越しに門屋根を見る

 旧和中散本舗庭園は日向山を借景にした落ち着いた庭園である。

また本舗の向かい側には旅人の馬繋ぎの場や隠居所等も昔の姿をそのまま今に留めている。

全国的に見ても珍しい貴重な史跡である。』 とあります。

 現在でも大角家の所有で子孫の方が住まわれているので、拝観は外観のみでした。

但し、春と秋の季節限定で内部と庭園が公開されており、秋は9月30日までがその期間。

僅か鼻の差程度に後悔する事頻りでした。

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庭園説明
但し、拝観は季節限定。

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店舗の向かいにある住居
今も大角氏が住まわれている様子。

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住宅解説

 近代以前の旅は、移動に時間がかかる上、食事や水も普段と異なるため体調管理が不可欠。

道中薬は必須でした。そんな中で街道沿いにある薬屋は重宝されましたが、ここは横綱格。

私見では中山道柏原宿の亀屋左京店との双璧でしょうか?

特に薬・健康マニアであった家康の腹痛を治したのが宣伝効果になったと思えます。

現在、製薬メーカーが多い府県は、富山・奈良・滋賀の三県。

いずれも修験道や忍者などと関りの深い場所で、滋賀では甲賀地区がその中心だそうな。

 昔から薬料は高価でしたが、その分儲けも大きかった筈。

それを貯めこまないで店の造りや庭園に投資したのは、社会に還元する意図もあった筈。

薬販売を止めたあとも、この場所で生活を続けて居られるのは、地域への貢献度が高かった事もあるでしょう。

近江商人風に言えば和中「散本舗」良しとなるでしょうか?

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住居の脇に建つ御堂
個人的に祀っているものか?

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塀越しに見た住居

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住居近影

 ここから次の巡礼先までは暫く東海道を行きますが、道沿いには麹屋など昔ながらの家も。

弁柄格子が鮮やかですが、町の端には「ぜざいや東店」の看板が。

表札もあったので大角家の分家と思えますが、間の宿の両端に店を構える程、需要が多かったのでしょう。

今なら「ぜんざいや」と読み違えて入る人が居そうですが…。

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東海道沿いに建つ家屋

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これは本舗より東側にある大角家
「ぜざい」の看板が上がる。

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同じく街道沿いの旧家
表札の横に説明板が。

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かつて糀を商った事を示す札

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弁柄格子が美しい家屋

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