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実性院 (石川県加賀市大聖寺下屋敷町)

2023.02.23(20:09) 1390

前田家菩提寺と白萩の寺(2022.11.5)

<コース>
【往路】JR金沢(7:54) → JR粟津(8:42)

粟津駅前 → レンタサイクル25分 → 那谷寺 → 粟津駅前
[路線バス] 粟津駅前(9:55) → 那谷寺(10:12) → 徒歩5分 → 那谷寺 → 那谷寺(11:30) → 粟津駅前(11:44)

JR粟津(12:11) → JR大聖寺(12:24) → 徒歩10分 → 十二寺院群 → 宗寿寺 → 全昌寺 → 実相院 → 徒歩5分 → JR大聖寺(14:29) → JR福井(14:59→15:08) → サンダーバード28号 → JR大阪(17:06)

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金龍山 実性院(曹洞宗)

 大聖寺巡礼の最後を飾るのは実性院。国道8号線に面し、

寺院群の中で最も南にある寺でもあります。

 金龍山実性院(きんりゅうざんじっしょういん)は、

『大聖寺藩の菩提寺である加賀曹洞宗の名刹。境内には様々な草木が植えられているが、

就中秋に可憐な花を咲かせる「白萩の寺」として知られる。

 万治3年(1660年)大聖寺初代藩主・前田利治公が逝去に際し、

公の御戒名の院号からその名が付けられた。

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入口の案内板

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参道の正面に建つ本堂
少し前なら参道両脇には白萩が咲き誇るらしい。

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本堂玄関と金龍山の扁額
但し、入口は右手の廊下側から。

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玄関前から入口を振り返る

 山門から真っすぐ伸びる参道脇には白萩が植えられ、正面には釈迦牟尼仏を祀る本堂が建つ。

その左奥には歴代藩主の御霊屋、右奥には書院が続く。

奥書院と呼ばれるその場所は藩主との謁見の場とされ、

書院造の意匠を凝らした二間の床の間に違い棚を設ける。

また書院からは築山池泉様式の庭園が望め、明暗の趣向と四季の風情を楽しむ事ができる。

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受付を過ぎ本堂へ向かう

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萩越しに見る本堂

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本堂前の廊下
右手は書院へ続く。

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本堂内陣の御本尊

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御本尊の釈迦如来
手前には九谷焼の狛犬が一対置かれる。

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説明はないが、宗祖や中興の祖等の木造か?

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大聖寺藩御用窯元の九谷焼

 本堂前の道を抜け、右に坐禅堂、左に十六羅漢堂を見て石段を上った場所が前田家廟所。

藩祖から十四代までの墓が祀られている。十万石の外様大名で歴代藩主の廟が一ヵ所に

造られているのは全国的にも珍しく、藩祖の側には殉死した三名の家臣の墓も建つ。

 墓石は五輪塔で、宇宙は空輪・風輪・火輪・水輪・地輪の五つの要素から形成される

という仏教の要素を表したもので、日本特有のものとされる。』 とあります。

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奥書院
白布の掛けられたテーブルは会議用?

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書院造りの意匠を凝らした二間の床の間に違い棚

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書院から臨む庭

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築山池泉様式の趣向の庭園

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縁側から見た池とその畔の老木

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書院軒下の構造

 白萩の寺と謳っているだけに、土塀や本堂へ続く参道脇には萩が多く植えられていましたが、

さすがに11月であれば花は散った後。花の盛りにはさぞかし云々と想像するに止まりました。

萩は赤白ありますが、白に拘ったのは白山信仰に拠るのでしょうか?

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坐禅堂入口

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薄暗い坐禅堂内部

 ここにも羅漢堂はあり、祀られているのは十六羅漢。ガラス越しの拝観で、

良く出来た作品に見えましたが、全昌寺の五百羅漢と比べるとやはり見劣りがします。

製造年代が違うこともありますが、江戸後期にもなると大名を含めた武士よりも

町人の方が経済力を持っていた証といえそうです。

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十六羅漢堂入口

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ガラスケース内の十六羅漢
羅漢と同時に文政3年(1820年)に製作された持国天・多聞天が安置されている。

 最初に訪れた宗寿寺が旧城主の菩提寺なら、当寺は江戸時代の殆どを納めた藩主の菩提寺。

歴代藩主の廟所は本堂を抜け、高台にある墓地の更に上に。藩主だから当然ではあります。

また奥書院やそこから眺める庭園は他の寺院よりも優れた印象を受けました。

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本堂を抜け歴代藩主の墓所へ

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大聖寺藩主の墓所(前田家廟所)

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墓所山頂広場には初代から14代までの墓が一堂に会す

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墓所と五輪塔の説明

 本堂内には九谷焼が展示されていましたが、これは単に名産というだけではなく、

初代藩主前田利治公が金山開発の過程で陶土を発見し、九谷焼を興した事に拠るとか。

 幕府の眼を逸らすために武よりも文に力を入れた加賀藩の努力が実ったとも言えますが、

町人の力を敢えて抑え込まなかったのは大藩ゆえの余裕でしょうか?

書院の違い棚一つとってもこれが他藩との【違いだな!】と感じた次第です。

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実相院説明書

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実相院御朱印

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