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丹後のもみじ寺 開基を祀る三重塔 (京都府舞鶴市鹿原) <金剛院 其の弐>

2023.02.25(20:37) 1392

高岳親王後悔記(2022.11.19)

<コース>
【往路】JR京都(6:37) → JR園部(7:21→7:26) → JR綾部(8:25→8:51) → JR東舞鶴(9:20)

東舞鶴駅 → 徒歩12分 → 赤れんが館 → レンタサイクル20分 → 金剛院 → レンタサイクル15分 → 松尾寺 → レンタサイクル30分 → 東舞鶴駅

【復路】JR東舞鶴(14:28) → (まいづる10号) → JR京都(16:07)

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鹿原山 慈恩寺 金剛院(真言宗東寺派 関西花の寺二十五霊場第三番)

 山門右手の受付を経て紅葉の参道を進むと、目の前に現れるのが重文・三重塔。

境内に加え北側の鹿原公園からも遠望できる、所謂紅葉の映えスポットで、

当院の案内書等には必ずと言って良い程、取り上げられる場所です。

 鹿原山慈恩寺金剛院(かわらさんじおんじこんごういん)は、

『平安時代初期の天長6年(829年)第51代平城天皇の第三皇子、高岳親王に拠って創建。

親王は第52代嵯峨天皇の皇太子であったが、父である平城上皇が

薬子の乱で失脚したため廃太子となった。

 世の無常を感じて仏門に入った親王は眞如(しんにょ)法親王と称し、空海の十大弟子の一人として

仏教の興隆に尽力した。諸国行脚の途中で鹿に導かれて当地に立ち寄り、

深山の静けさと自然の美しさに心打たれて当寺を建立したとされる。

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三重塔を目指して紅葉の参道を往く

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参道左手に聳える千年榧
高岳親王の御手植えと伝わる。

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榧を拝んで更に奥へ紅葉の隧道を往く

 貞観4年(862年)、法親王は83歳の高齢で入唐。更に天竺を目指したがマレー半島南部で客死したと伝わる。

法親王が入唐のために当寺を去ってから寺は荒廃した。

 三重塔は永保3年(1083年)、眞如法親王の供養のため創建されたもので、正式名は金剛院塔婆。

現在のものは室町時代の再建で、各層の間を狭くして軒を深く見せた巧みな構造を有する。

方三間・杮葺、初重内部に四天柱と来迎壁・仏壇と言った室町時代の特色が示されている。

塔内には開祖である眞如法親王坐像が安置されている。四季の景色に溶け込む姿は、

三島由紀夫の 『金閣寺』 にも登場し、優雅な三重塔とされる。』 とあります。

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紅葉の隧道を抜けた先に見える宝篋印塔と重文・三重塔

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三重塔近影

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三重塔解説

 至高の身分に生まれ皇太子とされながら、父親が政争に【敗退し】たため廃太子となり【交替し】。

高貴な身分に生まれた事が必ずしも幸せとは言い切れませんが、高岳親王の場合、

己の預かり知らない所で、歴史に翻弄された悲劇の人といえるでしょう。

 普通なら腐ってしまうところですが、当時の最先端であった空海に師事して仏教を極めようとしたところがエライ!

当寺を開創した後、更に仏教を極めようと80歳過ぎで入唐。

囲碁の名人であった親王は、彼の地で唐の最高位の名人に惜敗したとも伝わっています。

 皇族には強烈な個性を持った方も居られますが、高岳親王は極く真面目な方だったのでしょう。

皇族の道楽と言ってしまえば身も蓋もありませんが…。

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三重塔に祀られた開基に参拝

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塔の内陣に置かれた開基・真如法親王座像

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塔の屋根と垂木・木鼻等の組物

 マレー半島で志半ばで没した悲運の皇子とされますが、彼自身には後悔などなかったでしょう。

第二の人生を仏教に捧げた【ぶっきよう】ながら見事な【稀】な生き様と言えます。

余談ですが、幻想・異端文学の大家であった澁澤龍彦氏の遺作が『高岳親王航海記』。

還暦を待たずして逝去された氏ですが、高岳親王の生き方に共感するところがあったに違いありません。

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本堂への階段から見た三重塔

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紅葉越しに見下ろす三重塔

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鹿原公園から見る三重塔

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三重塔の水煙

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