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長壽寺 境内の諸堂 (滋賀県湖南市東寺) <長壽寺 其の参>

2023.03.13(20:22) 1408

残るものと往くもの(2022.11.26)

<コース>
【往路】JR大阪(7:30) → (新快速) → JR草津(8:20→8:37) → (草津線) → JR石部(8:48)

JR石部駅 → 徒歩5分 → 石部宿 → 吉御子神社 → 真明寺 → 本陣跡 → 徒歩5分 → 登り町(9:38) → (滋賀バス) → 西寺(9:45) → 徒歩5分 → 常楽寺 → 徒歩15分 → 長寿寺 → 徒歩75分 → 善水寺 → 徒歩5分 → 岩根(14:30) → (滋賀バス) → 甲西北口(14:50)

【復路】JR甲西(15:03) → JR草津(15:17→15:22) → (新快速) → JR大阪(16:13)

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阿星山 長壽寺(天台宗 湖南三山) 重文・弁天堂

 国宝の本堂の内陣拝観を済ませた後は、境内を一巡り。

古刹である長壽寺には本堂に加えて今も境内に諸堂が残っています。

『本堂前に建つ重文弁天堂は、桁行一間、梁間一間、屋根一重入母屋造、

唐破風付檜皮葺のほぼ真四角な堂で、小さいながらも本格的な構造である。

高さ1mの弁財天坐像が納められている。建立年代は詳らかではないが、

内部より‘十六、十二月’と記された刷毛書の墨書が発見され、また地中から出土した瓦に

「文明六年」の銘があり、「天文十九年三月手間参百人云々」の修理銘が見られる事、

更に建築様式から文明16年(1484年)の建立と言うのが建築史家の推論である。

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正面から見た弁天堂

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弁天堂の唐破風

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檜皮葺屋根と垂木

 本堂へ向かう参道の右手奥にひっそり建つのが石造多宝塔で湖南市指定有形文化財。

これは聖武天皇の菩提を弔うために鎌倉時代に建立したもの。

現在、相輪が欠けているが、この種の石像多宝塔の違例は極めて少なく、

全国に10基程度が残るのみである。

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参道右手にある多宝塔入口

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木々に囲まれて建つ多宝塔

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正面から見た多宝塔

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横から見た多宝塔

 近江の主要な天台系伽藍配置では、三重塔を配するのが常であった。

長壽寺の三重塔は本堂に向かって左後方の叢林中にあったが、

天正3年頃織田信長の手に拠って安土城内の織田家菩提寺である摠見寺に移築された。

地中より鉄刀子、鎮壇具に用いられたと思われる素焼きの壺が発掘され、

壺の蓋には室町時代の作と見られる菊花双鶴文鏡が用いられ、

鏡の製作年代から享徳年間(1452~1454年)の頃、塔が建立されたと考えられる。

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本堂の左奥、三重塔跡へ向かう

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塔跡に残る礎石

 平安時代以降、神仏習合が進み、寺院境内に鎮守社が設けられるのが常であった。

長壽寺にも創建時代は不明ながら、鎮守社として白山神社が建てられている。祭神は白山比咩。

重要文化財に指定されている拝殿の建築様式・手法は室町時代のものを伝えているが、

弘安十年(1287年)の「左衛門尉平某寄進状」に「社堂仏前」の語が見え、鎌倉時代には

社殿があったと推測される。四面に格子戸を備えるのは珍しい。

 かつて内部には永享8年(1436年)の板絵三十六歌仙図が掲げられていたが、

今は長壽寺で保管されている。』 とあります。

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参道を本堂へ向かわず左に行くと白山神社

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重文・白山神社拝殿

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白山神社本殿

 木造では重文が二点残りますが、いずれも小さい建造物。

楼門・三重塔と言った大きなものは、持ち出されました。

常楽寺にあって長壽寺にないものは三重塔。解説にあるように信長が安土に持って行った結果です。

小さいものを残して大きなものを持って行ったのは、繊細よりも派手さを好んだ結果でしょうか?

楼門はなくなりましたが、幸いにも三重塔は摠見寺に今も健在。

しかし、もし【創建時】のまま建っていたらと思うのは私だけではない筈です。

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参道脇の鐘楼

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