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月ヶ瀬梅渓 帆浦梅林 (奈良市月ヶ瀬尾山) <月ヶ瀬梅渓 其の壱>

2023.03.17(20:41) 1412

香やは隠るる、腹はふくれる(230311)

<コース>
【往路】JR天王寺(6:18) → JR加茂(7:26→7:33) → JR月ケ瀬口(7:57) → 月ヶ瀬駅前(8:45) → (臨時バス) → 尾山口(9:00)

徒歩5分 → 梅林入口 → 真福寺 → 一目八景 → 帆浦梅林 → 梅林公園 → 天神神社・天神梅林 → 代官坂 → 月ヶ瀬橋 → 一目万本 → 奥の谷梅林 → 龍王梅林 → 八幡橋 → 紅葉の小道 → 梅の資料館(月ヶ瀬橋畔) → 尾山口

【復路】尾山口(13:40) → (臨時バス) → JR月ヶ瀬駅(13:55→14:12) → (関西本線) → JR大河原(14:18) → 徒歩8分 → 恋志谷神社 → JR大河原(15:19) → JR加茂(15:35→15:39) → (大和路快速) → JR大阪(16:54)

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月ヶ瀬梅渓 一目百景の眺望

・春の夜の 闇はあやなし 梅の花 色こそ見えね 香やは隠るる   凡河内躬恒

 梅渓発祥の寺院参拝に続きいよいよ梅林散策。花も勿論ですが、

それにも増して辺り一面に漂う香りに圧倒。馥郁というのは文学だけの表現と思っていました。

 散策スタートに当たり先ずは梅林入口で腹ごしらえ。

店先で焼いていた草餅に惹かれたのが正直な所で、花より団子を地で行く話です。

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これから向かう梅園の案内板

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貰ったパンフの地図ではこうなる

 梅園入口にある二軒の店は早朝から営業中。その内、近い方の「梅香」さんで焼餅購入。

食べ歩き覚悟でしたが、お茶まで出して頂き一服。長谷寺門前もそうですが、

大和は草餅が名物の様子。梅の里では鶯餅にはならないのでしょうか?

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草餅に並んだ行列

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盆梅を眺めながら暫し休憩

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様々な盆梅が並ぶが全て売り物

 焼餅を頂いた店の周囲は梅の盆栽が並んでいましたが、食事だけでなく、

梅干・盆梅など梅に関するう【めぼしい】ものを扱って居られる様子。

偶々出て居られた店の御主人に伺うと、梅は食用・観賞用に見事に分かれているそうで、

盆梅からは梅干しは採れないそうです。

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店の裏にある梅の巨木
樹齢数百年かと思いきや、御主人の話では50~60年程だとか。

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白梅の盆栽

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購買意欲をそそる紅梅の盆栽

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これも店の裏にある枝垂れ梅

 道標から梅林へは坂を上り、名張川の北側の尾山地区の【おやま】にある梅林へ。

尾山と言う名は山の尾根の部分にあるからの命名でしょうが、月ヶ瀬梅林は

名張川(月ヶ瀬川・五月川)の両側の約3㎞に亘って東西に続く名勝地。

川は下流で木津川に合流しますが、かつては川が深い谷を形成する渓谷。

月ヶ瀬梅林ではなく、月ヶ瀬梅渓と呼ばれるのはそのためです。

しかし1959年に高山ダムが出来、それに伴って渓谷は水没しダム湖が形成。

今は、穏やかな川面に梅が映えます。

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梅の向こうに見える月ヶ瀬湖
高山ダムに拠って名張川が堰き止められてできた。

『月ヶ瀬の梅は、今から約800年前、月ヶ瀬尾山に天神社を祀り、所縁の梅の木を植えたのが始まり。

その梅の実から烏梅(うばい)を作るようになり、林間の渓谷や空地を利用して梅を植え、

烏梅は急峻なこの地域の貴重な収入源となった。

江戸後期には10万本以上の梅が植えられており、梅の名所としても知られるようになった。

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最初の見所「一目八景」

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満開の梅と月ヶ瀬湖

 烏梅は黒梅とも呼ばれ、梅の実を煙で黒く燻したもので、薬用や染色に使用。

特に月ヶ瀬の烏梅は、紅花染において烏梅に含まれるクエン酸が

紅花の美しい発色を可能にしたので、京・大坂の染物屋に送られた。

江戸時代後期には生産量が最盛期を迎えたが、明治以降安価な化学染料が

輸入されるようになったため需要が減り衰退した。

梅林も茶畑等に転換され、今では梅の木も1万3千本と全盛期の六分の一程度まで減少。

現在では地元で唯一残った古梅園1軒がその製法を伝えているのみである。

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斜面全体に梅が見える
奥の建物は売店。

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向日の岸辺にも梅

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遊覧船はないが、時折ボートが走っている

 梅林が渓谷を挟んだこの梅渓は、江戸時代後期から風雅を好む文人墨客に讃えられ、

その景色を愛でる詩文が詠まれ多くの著作品が出版された。

また大正11年には国が初めて指定した名勝の一つとなっている。

 明治以降、梅林の減少や渓谷の水没等、かつての勢いはなくなったが、

地元の人々の努力によって新しく生まれ変わった梅林は、関西屈指の観光地として

季節には多くの人々が訪れる場所となっている。』 とあります。

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次の梅林へ移動

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帆浦梅林
月ヶ瀬で最も景色が良いとされる場所。

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帆浦梅林の眺望
茶店の張出した展望台からの景色。よく写真に使われるのは紅白の梅が隣接しているから?

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遠く西を望めば桃香野の集落が

 梅林入口からは、鹿飛谷・一目八景・帆浦梅林と続きますが、この辺りが一番の見所らしく、

月ヶ瀬梅渓として写真で紹介されるのもここ。散策路から梅越しに名張川が見える絶景の地。

帆浦というからには、かつては川を往来する船の帆が見えたのでしょう。

一目八景というのも【ほら】ではないようです。

 この付近を歩くと道脇には茶店や食事処が犇めいており、店で注文して

見晴らしの良い張り出しから梅渓を見るのがお勧めの様です。

メニューはうどんや鍋物が中心で焼き鳥・焼きそば・焼肉など煙を出すものは一切なく

焼いているのは草餅くらい。梅の香りを損なわないとの心配りに感心する事頻りでした。

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張出しからの眺望

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