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月ヶ瀬梅渓 天神梅林 (奈良市月ヶ瀬尾山) <月ヶ瀬梅渓 其の弐>

2023.03.18(20:31) 1413

香が結んだ加賀藩との所縁(2023.3.11)

<コース>
【往路】JR天王寺(6:18) → JR加茂(7:26→7:33) → JR月ケ瀬口(7:57) → 月ヶ瀬駅前(8:45) → (臨時バス) → 尾山口(9:00)

徒歩5分 → 梅林入口 → 真福寺 → 一目八景 → 帆浦梅林 → 梅林公園 → 天神神社・天神梅林 → 代官坂 → 月ヶ瀬橋 → 一目万本 → 奥の谷梅林 → 龍王梅林 → 八幡橋 → 紅葉の小道 → 梅の資料館(月ヶ瀬橋畔) → 尾山口

【復路】尾山口(13:40) → (臨時バス) → JR月ヶ瀬駅(13:55→14:12) → (関西本線) → JR大河原(14:18) → 徒歩8分 → 恋志谷神社 → JR大河原(15:19) → JR加茂(15:35→15:39) → (大和路快速) → JR大阪(16:54)

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月ヶ瀬梅渓 天神梅林への橋

 帆浦梅林に続く遊歩道を進み、赤い欄干を渡ると天神梅林。

名前の由来は、最も高い場所に建つ天神神社に由来。天神神社は、

『元久2年(1205年)、真福寺境内に菅原道真を祀る産土神として天神社を祭祀したのが始まり。

その際、神霊を慰めるため道真の好んだ梅を植えたのが月ヶ瀬の梅林の嚆矢とされる。

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懸造り?ではないが、斜面に建てられた茶店

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梅林への案内板

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名張川の眺め

 時代は下って元和元年(1615年)、加賀藩三代藩主前田利常は大坂夏の陣の帰路、

尾山天神に立ち寄り前田家安泰二千日の祈願をなし、元和7年3月に満願の碑を建立したと伝わる。

その碑にある両天神とは尾山神社と分神勧請された金沢城内の尾山天神を指すとされる。

碑文は四百年の風雪に晒されて目読する事が出来なかったが拓本に拠って判読された。

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これは蝋梅

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紅枝垂れ梅

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天神神社

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前田家と天神社の関り

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神社と梅林の由来

明治17年(1884年)、真福寺境内から絶景のこの地に社を移祀している。

天神様である菅原道真の他、月ヶ瀬梅林の黄偈となった姫若も合祀している。』

とあります。

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満願の碑

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満願碑解説

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天神社脇からの眺め

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 平地の少ない斜面なので、神社も祠が建つだけで社務所はなく無人。

元は真福寺境内に建てられた事、創建年代も後だった事を考えても月ヶ瀬梅渓の起源は

当社ではなく真福寺だったのは確実。

と言っても産業としての月ヶ瀬の梅は真福寺ですが、最初に植えられたのはここ天神社。

真の発祥の地が当社なのは嘘ではありません。

現在の地は梅林の中心にある高台で、土産店に加え宿泊所もあり、

美晴荘と名付けた旅館は皇室の方も泊まられたとか。

まさか梅林の中に宿泊できるとは思いも寄りませんでした。

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美晴荘別館の玄関

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別館の沿革

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別館は食事だけの利用も可能

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美晴荘本館(右)と美晴荘経営の茶店
別館は正面奥左手にある。

 加えて、当社は近世になって加賀藩の庇護も受けます。

尾山神社と言えば、金沢を連想しますが、あちらは明治以降の創建なので、

当社が先。名前が同じなのは偶然でしょうか?

前田利常が領国から離れた当社に参詣した理由は分かりませんが、前田家の家紋は梅鉢紋で、

公式には姓は菅原氏。そのような由縁で当社に白羽の矢が立ったのでしょう。

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天神社脇からの眺望
名張川に架かる朱い橋が目指す月ヶ瀬橋。

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天神梅林から代官坂へ

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代官坂から見た斜面の梅林

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九十九折?の代官坂を下る
正面の幟が建つのも坂の一部。

 前田家菅原氏は、大名家が幕府に提出した由緒に拠るそうですが、真偽の程は不明。

そのことは藩主自身が一番良く分かっていたに違いありません。

尤も、この点に関しては菅原家からクレーム等は一切なかったとか。

先祖を偉くするのは、自身が偉くなるのが最大の近道というのは古今東西変わらぬ真理のようです。

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ここから先は「春告げの小径」と優雅な名前で呼ばれる。

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「春告げの小径」から見た月ヶ瀬橋
橋の右手に建つのが梅資料館。

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小径は最後に川沿いの82号線に合流

[参考書]

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