<コース>
【往路】JR天王寺(6:43) → JR和歌山(7:47→8:07) → JR御坊(9:09→9:13) → JR紀伊田辺(9:54)
紀伊田辺駅(10:15) → (明光バス) → 本宮大社前(11:50) → 徒歩5分 → 大斎原 → 産田神社 → 熊野本宮 → 本宮大社前(13:25) → 神倉神社前(14:17) → 徒歩15分 → 神倉神社 → 徒歩20分 → 浮島の森 → 徒歩10分 → 熊野速玉大社 → 徒歩15分 → 阿須賀神社 → 徒歩5分 → 徐福の墓 → 徒歩5分 → 新宮駅
【復路】JR新宮(17:10) → JR紀伊勝浦(17:37)

熊野本宮大社(熊野本宮大社末社) 本宮前の白河上皇御製碑
中世には庶民の間に流行した熊野詣ですが、忘れてはならないのが上皇を始めとする貴人の参拝、
所謂熊野御幸です。皇族や貴嬪を同行して行列を組み、途中で歌会をするとは言うものの、
平安京からは一ヶ月かけての長旅。

秩父宮勢津子妃殿下(会津松平家)の御筆に拠る解説
一生に一度お詣りすれば御の字の恥ですが、それを何度も実践した方が居られたには驚き。
『熊野御幸は古くは景行・応神・仁徳・天智・天武の諸帝の崇敬を受けたが、
平安時代に入ると皇室の崇敬が高まり国史に重きを成すに至った。
宇多法皇より亀山上皇までの歴代の上皇、女院の熊野行幸は百余度の多きに達し、
宇多・花山法皇の一度、白河上皇十度、鳥羽上皇二十一度、崇徳上皇一度、
後白河上皇三十四度、後鳥羽上皇二十八度、後嵯峨上皇三度、亀山上皇一度など、
明らかなものだけでも百度の多きに及び他社にその例を見ない。
熊野行幸の内でも本宮のみの参拝も度々であった。

神門前の後鳥羽上皇御製

御製解説

平成4年5月27日 皇太子殿下(今上天皇陛下)参拝記念植樹
今はエコ或いはSDGsの影響か御製に代わって植樹となっている。
加えて女院鳥羽后待賢門院、同妃美福門院、御嵯峨后大宮院を始め、平清盛、平重盛、源実朝、
北条政子、藤原定家、徳大寺実能、藤原師通、和泉式部等の権門勢家の参詣も多く、
古より男子と生まれたものは、先ず熊野へ参詣して初めて一丈夫になると言われ、
出世、家門繁栄の守護神として尊崇されている。
平清盛も未だ若い頃に熊野へ詣でた結果、太政大臣に至ったと 『平家物語』 にある。

和歌山県らしく創建記念植樹は南高梅

和泉式部の祈願塔

月のさわりにも熊野権現は優しいと言うお話
その他庶民も全国から参詣絶えず、文覚上人、西行法師、一遍上人らの宗教人も参詣している。
特に一遍上人は文永11年夏、本宮の大前で神宣を受け開教の契機を得たと言われ、
この因縁で相模遊行寺の歴代上人は、継嗣の際には特に本宮に参詣するのが慣わしになっている。』
とあります。

築地塀前のオガタマの木

オガタマの木 解説
参拝の多い皇族を眺めて先ず気付くのは、いずれも歴史の教科書に登場するような有名人。
それだけ事績も多い方々なので、単なる旅行好きではなく、有り余ったエネルギーを発散する場でもあったのでしょう。
それでは何しに熊野へ向かったか?
熊野水軍を味方に付ける意図も勿論あったでしょうが、それ以上に祖先の功績を辿る意図が重要。
というのも天皇家の始祖の神武天皇が熊野から大和へ入って即位した事に由来します。

イワレヒコ(神武天皇)を大和に導いた八咫烏
その正体は水軍の水先案内人?

八咫烏の由来

シンボルマークの八咫烏は熊野三山で三様

境内の黒ポストも八咫烏
伝書鳩は聞くが、伝書烏は初耳。
ここで神武東征を考えると、『日本書紀』が完成したのは720年、天武天皇の系列の元正天皇の御代でした。
天武といえば、近江朝から出家して吉野へ逃れ、後に「壬申の乱」で都へ攻め上って天皇位に就いた人物。
壬申の乱を制したといっても別の言い方をすれば簒奪者。彼にとって自分を正統化し人心掌握するためには、
同じような事績を持つ神武天皇を強調する必要がありました。
極論を言えば、神武東征自体が、天武朝に拠る創造の産物だったとも言えるのではないでしょうか?

神門左手の黎明殿
神事はここで行うそう。

黎明殿前のタラヨウ(多羅葉)の木

タラヨウの木 説明

黎明殿の向かいに建つ社務所
こうして三山のトップを切って本宮参拝終了。昼食は山内にある「茶房 珍重庵」。
ここは和菓子の「もうで餅」が定番ですが、バスが【もうで】る時刻なので「もうで蕎麦」をかき込み。
これで無事終了と思いきや、真名井社の御朱印を貰い損ねた事が判明。
どうももう一度、ゆっくり参拝する必要がありそうです。
といっても、参拝回数で上皇方を上回る畏れ多い事はしませんが…。

帰りは参道脇の「祈りの道」へ

茶房の入る瑞宝殿前から見た参道の杉並木

茶房 珍重庵 にて「もうで蕎麦」
大根と梅干が入っている。

本宮郵便局 ; 世界遺産・熊野本宮大社社殿、大鳥居と八咫烏
[参考書]
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