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熊野速玉大社 熊野御幸 (和歌山県新宮市新宮) <熊野速玉大社 其の弐>

2023.05.27(20:32) 1481

世界遺産の地の歴史遺産(2023.1.26)

<コース>
【往路】JR天王寺(6:43) → JR和歌山(7:47→8:07) → JR御坊(9:09→9:13) → JR紀伊田辺(9:54)

紀伊田辺駅(10:15) → (明光バス) → 本宮大社前(11:50) → 徒歩5分 → 大斎原 → 産田神社 → 熊野本宮 → 本宮大社前(13:25) → 神倉神社前(14:17) → 徒歩15分 → 神倉神社 → 徒歩20分 → 浮島の森 → 徒歩10分 → 熊野速玉大社 → 徒歩15分 → 阿須賀神社 → 徒歩5分 → 徐福の墓 → 徒歩5分 → 新宮駅

【復路】JR新宮(17:10) → JR紀伊勝浦(17:37)

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熊野本宮大社(全国熊野神社総本宮 式内社 旧官幣大社 別表神社)  境内に建つ世界遺産の石碑

 世界遺産に登録された速玉大社ですが社殿自体は新しい再建。

しかし熊野信仰の歴史的資料を多く伝え境内の神宝館に保管・公開されています。

『毎年10月16日に行われる御船祭は熊野速玉大社例大祭で、

神霊を遷した神輿を乗せた美しい神幸船と勇ましい9隻の早船競漕に拠るもので、

国指定重要無形民俗文化財。世界遺産の熊野川で行われる。

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神門前の参道右手にある熊野神宝館
入口では地元の英雄・武蔵坊弁慶の木像がお出迎え。

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新宮市のパンフレットからの抜粋した御船祭の様子

 広い境内には巨木が聳える事でも知られる。

参道にある梛(なぎ)は平重盛の御手植えと伝え、高さ18m、幹廻り5m、

樹齢千年を数える御神木で国の天然記念物。

葉脈が強く切れ難いことから、縁結び、道中安全の印として熊野詣を果たした参詣者が持ち帰った。

またこの木の実から作るナギ人形は、縁結び、家内安全の御守りとして珍重される。

 梛は凪(なぎ)にも通じ、平和・和合の証でもあり、沖縄の本土復帰の年に、

当社から御神木の苗が沖縄に運ばれ、県下の学校に平和の記念樹として植樹された。

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御神木「梛の木」
神宝館の向かいに聳える。

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注連縄が巻かれた御神木の幹

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御神木の石碑

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御神木の解説

 社殿前にあるオガタマノキは南方系の常緑高木で、古くから神の霊を招く神木として知られた。

オガタマの名は招霊に由来する。

またこの葉を食草として育つ南方系の蝶も飛来し、ミカドアゲハの名で知られる。』 とあります。

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神門を潜った場所にあるオガタマノキ

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オガタマノキ解説

 また形のある宝物ではないものの、ここは熊野御幸の聖地。

平安末期には鳥羽法皇、後白河上皇、後鳥羽上皇等が幾度も熊野三山に足を運び、大いに賑わっている。

 熊野御幸(くまのぎょうこう)とは、

『延喜7年(907年)の宇多上皇から嘉元元年(1303年)の玄輝門院までの396年間に

上皇・女院・親王を合わせて御23方、140回に及ぶ皇室の参詣を熊野御幸と言い、

熊野三山史上に不滅の光彩を放っている。

熊野御幸には陰陽師に日時を占定させて、斎館で心身の精進を数日行った後に出発。

天永元年9月の白河上皇の御幸には総人数814人、一日の食糧16石2斗8升、

傳馬185匹であったと『中右記』に記されている。

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掲示板にある熊野参詣曼荼羅

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熊野御幸を記した石屏風

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後白河法皇御撰により梁塵秘抄に載った今様

 御幸の道順は京都・住吉・和泉・紀伊半島を海岸沿いに南下して田辺へ。

その後、中辺路・本宮・熊野川を下って当大社へ参拝。那智山・雲取・本宮を経て

往路コースを逆行して帰京されるまで凡そ二十数日に及ぶ難行苦行の旅であった。

 熊野御幸に拠って熊野信仰は公卿・武士・庶民の間に流布し、熊野水軍を持つ熊野三山の

忠誠心を助長、京都と熊野との文化交流、有名な熊野懐紙、幾多の名歌が詠まれる等、

各方面に大きな影響を残している。』 とあります。

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境内に置かれた「さざれ石」

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神門左手の大禮殿

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熊野速玉大社説明書 (無料)

 境内には熊野御幸の記録が掘られた石板が鎮座しています。

それに拠れば後白河上皇(33度)、後鳥羽上皇(29度)、鳥羽上皇(23度)というのが御幸の上位三名。

いずれも歴史の教科書に登場する天皇で、武士が政治の表舞台に登場する時代というのが共通点。

 本宮大社もそうですが、これだけ天皇がここに参詣されたのは、物見遊山や信仰心だけではなく、

熊野三山を拠点とする新宮一族を自分たちの側に繋ぎ止めておくという思惑があったに違いありません。

源平合戦として知られる治承寿永の内乱で熊野水軍が源氏の勝利に貢献しましたし、

その流れを汲む九鬼水軍が織田信長の天下統一に大きな役割を果たしたのも事実。

唯、日本史上の海戦と言えば、源平合戦を除くと厳島の戦い(毛利VS陶)・

木津川河口の戦い(織田VS毛利)があるくらいで、原則として戦は陸上で行うもの。

水軍はあくまで物資補給などの兵站で活躍したようです。

海戦ならぬ廻船ですが、水軍の歴史も【平坦】ではなかったという事でしょう。

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熊野速玉大社御朱印 (平成6年拝受)

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今回拝受の熊野速玉大社御朱印
世界遺産となって格が上がった?

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新宮横町郵便局 ; 熊野速玉祭、熊野速玉大社御燈祭
新宮郵便局 ; 徐福、熊野速玉大社御燈祭

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