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阿須賀神社 (和歌山県新宮市阿須賀)

2023.05.29(20:07) 1483

江戸の花見は紀州から(2023.1.26)

<コース>
【往路】JR天王寺(6:43) → JR和歌山(7:47→8:07) → JR御坊(9:09→9:13) → JR紀伊田辺(9:54)

紀伊田辺駅(10:15) → (明光バス) → 本宮大社前(11:50) → 徒歩5分 → 大斎原 → 産田神社 → 熊野本宮 → 本宮大社前(13:25) → 神倉神社前(14:17) → 徒歩15分 → 神倉神社 → 徒歩20分 → 浮島の森 → 徒歩10分 → 熊野速玉大社 → 徒歩15分 → 阿須賀神社 → 徒歩5分 → 徐福の墓 → 徒歩5分 → 新宮駅

【復路】JR新宮(17:10) → JR紀伊勝浦(17:37)

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阿須賀神社(村社)
拝殿とその後ろに聳える蓬莱山

 速玉大社参拝で熊野三山の内、二社参拝が無事終了。後は翌日の一社を残すのみで

駅まで戻って移動するだけですが、線路を越えてちょっと寄り道。

目指すは更に河口に建つ阿須賀神社で、ガイドにも名前が載る程度ですが、

途中の看板に世界遺産と書かれていたのが足を向ける事になった理由です。

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参道入口に立つ

 阿須賀神社(あすかじんじゃ)は、

『熊野川河口近くに位置し、「浅州処」を守護し、航海・延命・生産・発育の霊力を持つと言われる。

創建は第五代孝昭天皇53年3月と伝わり、長寛元年(1163年)に書かれた古文書には

熊野権現は初め神倉山に降り、次に阿須賀之北に勧請されたと記されており、

早くから熊野信仰との関りが見られた。

平安時代には阿須賀王子とされ、熊野速玉大社から熊野那智大社への道中に当り、

熊野詣の人々が多数参拝に訪れた。

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参道途中に建つ一の鳥居

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御由緒

 新宮が初めて書物に文字として登場したのは熊野神邑であるが、これは当社の古名であり

神威発祥の地として広く人々に敬われた。

『中右記』『平家物語』にも参詣記録が見えるなど熊野詣の隆盛に伴い当社も発展してきた。

歴代有力者達からも深い信仰を集め、元享2年(1322年)には阿須賀権現が

現在の東京都北区飛鳥山へ勧請されるなど、全国各地に当社の末社が見られる。

 江戸時代には新宮城主の浅野家や水野家から社領の寄進を受けるなど、

熊野信仰の重要な拠点の一つであり、境内には多くの文化財が残されている。

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二の鳥居とその奥に建つ拝殿

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拝殿正面

 当社の主祭神は事解男命とし、この他熊野三山の神々を祀っている。

境内からは弥生~古墳時代の住居跡や祭祀跡が発見され、社殿背後の蓬莱山からは

熊野の神々を仏として表現した12~15世紀の御正体(みしょうたい)が多数出土しており、

神道と仏教が融合した熊野最古の原始信仰形態を実証し権現発祥源として確認された。

また蓬莱山には中国秦の時代に始皇帝の命を受け、不老不死の霊薬を求めて旅立った

徐福伝説が残る。』 とあります。

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拝殿近影

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供えられえた御神酒の名も「熊野三山」

 参拝前は小さな祠程度に思っていましたが来て見ると結構な規模。しかも社殿は朱色で綺麗に塗られていました。

と言うと新しそうですが、由緒を見ると熊野三山にも劣らない古社でした。

 熊野三山の一角を担ったようですが、境内に徐福神社、裏に蓬莱山があるので、

徐福を神として祀った神社が後に熊野三山に取り込まれたと考えるのが良さそうです。 

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拝殿の奥に建つ本殿

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塀越に見た本殿

 駅からの距離は速玉大社とほぼ同じですが、参拝者は各段に少ない様子。

線路を挟んで反対側というのがネックでしょうか?社務所もありましたが生憎閉鎖中。

事前連絡が必要なようで独特の字体の御朱印も頂けず仕舞いでした。

 と阿須賀神社に関してはこれで終了の筈ですが、意外な所に縁が。

東京の王子には当社が勧請されており、地名の王子も、

また字体は変わりますが飛鳥山という名も当社に由来しているそう。

熊野三山のどこかの王子だとは想像していましたが、新宮の当社とは知りませんでした。

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拝殿の向かって右奥にある徐福之宮

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宮の前には中国由来の樹木も

 今の飛鳥山は花見の名所として有名ですが、ここに桜を植樹したのは徳川吉宗。

享保の改革で倹約を強いられた庶民への娯楽対策であったとされます。

言うまでもなく吉宗は紀州藩の出身。数ある江戸の場所の中で王子を選んだのは

故郷への愛着があったと考えるのが普通でしょう。

 新宮にある阿須賀神社は江戸に移って飛鳥山になり、飛ぶ鳥を落とす勢いの

花見の聖地になった事を思うにつけ、熊野三山の奇縁を思わずにはいられません。

経済の世界ではスピンオフと呼ぶそうですが「すっぴんオフ」と言ったら怒られるでしょうか?

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境内奥の社叢

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蓬莱山と社叢の解説

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社務所は残念ながら不在

[参考書]

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