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タイトル画像

青岸渡寺 三重塔 (和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山) <青岸渡寺 其の参>

2023.06.02(20:17) 1487

煙雨にけぶる三重塔(2023.1.27)

<コース>
【往路】紀伊勝浦駅(6:45) → (熊野バス) → 那智山(7:11)

那智山 → 徒歩5分 → 青岸渡寺 → 熊野那智大社 → 徒歩10分 → 飛瀧神社 → 那智山(9:02) → (熊野バス) → 那智駅(9:19) → 徒歩3分 → 補陀落山寺 → JR那智駅(10:00) → JR紀伊天満(10:02) → 徒歩15分 → 勝浦漁港 → 徒歩5分 → JR紀伊勝浦

【復路】JR紀伊勝浦(12:09) → JR串本(12:46) → 徒歩10分 → 無量寺 → JR串本駅(14:01) → JR周参見(14:45→14:53) → (くろしお26号) → JR天王寺(17:33)

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那智山 青岸渡寺(天台宗 西国三十三ヵ所第一番札所)

  紀 南 冬     徒歩苦

万 里 烏 啼 緑 映 白
水 村 山 麓 神 武 風
本 朝 一 百 四 十 詣
多 少 楼 台 煙 雨 中

注)押韻と平仄は無茶苦茶です。

 本堂参拝、御朱印拝受を無事に済ませた後は広い境内を一巡。映えスポットの三重塔にも向かいますが、

その途中にも歴史を感じる遺物が多数お出迎え。

『本堂脇に聳えるのが樹齢700年とされるタブノキ。クスノキ科タブノキ属の常緑高木で県指定天然記念物。

イヌグス(犬樟)の通称で呼ばれる。

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本堂脇に聳えるタブノキの巨木

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タブノキ(イヌグス)全景

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樹木の説明板

 その脇には、重要文化財の宝篋印塔と梵鐘があり、前者は元享2年(1322年)の造立、

後者は元享4年の鋳造といずれも鎌倉時代の作である。

梵鐘には「那智山執行法印権僧都道済滝本執行尊什河内介弘」の浮彫の銘が残る。

鐘楼堂は明治36年(1903年)に復興された。

その奥の石上に建つのは大黒堂(如法堂)。古来より有名な那智大黒天並びに六福神を祭祀している。

もと光明堂と称する回向堂だったが大正13年(1924年)に現地に移築。本堂修理中仮堂とした経緯がある。

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文化財三連発

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重文・宝篋印塔は鎌倉時代の作

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明治36年復興の鐘楼堂

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梵鐘は鎌倉時代の鋳造

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坂の上の大黒堂と坂の下の那智黒の看板

 境内から張出した場所にある鉄筋の建物は信徒会館。七宮殿下のお昼飯所の光栄に浴した

旧本坊跡地に建立、上階は法要の道場・壇信徒の研修・茶席として使用される。

 階段下に見えるのが山内に唯一現存する塔頭の尊勝院。中世に天皇・皇族の宿泊所(行幸啓泊所)として

使われた宿坊跡で当山最古の執行職の屋敷である。

かつては開山裸形上人像及び不動明王像を安置していたが、今は本堂内に移されている。

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タブノキの横に建つ信徒会館

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張出した信徒会館とその下の尊勝院

 更に進むと朱色の新しい堂宇が建つが、これは平成6年建立の阿弥陀堂。

本尊の阿弥陀如来坐像は仏師江里康慶の作。唯、阿弥陀堂と名乗るが

当山に納められた遺骨・遺髪を祀る納骨堂として使用されている。

 「熊野参詣曼荼羅」に登場する建物の中でも最も目を惹くのが三重塔。

平安末期に建立されたものと推定され、500年前のこの絵では本堂付近に描かれている。

しかし他の建物と同様、戦国時代の1581年に焼失、一説では江戸時代に暴風で倒壊したとも伝わる。

現在の塔は昭和47年(1972年)に再建されたものである。

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阿弥陀堂は平成6年建立と新しい

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信徒会館前にも御詠歌の石碑が建つ

 三重塔には地上階より上の各階に異なる仏像が安置されている。

一階にはかつて那智大滝で崇拝され、多くの伝説に登場する不動明王が、

二階には西方の極楽浄土へ住まう阿弥陀如来像を安置している。

那智大滝を望む最上階の三階には慈悲の菩薩である千手観音像が祀られている。

仏教ではこの滝の神である飛瀧権現は観音菩薩の化身とされる。

塔の各階は現代の仏教絵画で装飾され、林屋担養画伯の金剛界諸仏と

米良道博画伯の観音・不動明王が壁を彩っている。

ここからは那智大滝、太平洋の眺望を楽しむ事ができる。』 とあります。

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石碑前から那智の滝方面の眺望
尊勝院、三重塔を経て那智の滝へ。

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望遠で撮った遠望

 本堂から三重塔までは種々の建造物が続きますが、巨樹もその一つ。

神宿る御神木なのでしょうがイヌグスとは意外。やはり南紀はクマクスでしょうか?

 途中、大黒堂・塔頭尊勝院・阿弥陀堂と続きますが、参拝者の姿は見えず。

やはりメインは札所の本堂。建造物が新しいのもそれに拍車をかけています。

それよりも諸堂が様々な変遷を経て今の姿になっているのにはびっくり。

思うに明治の神仏分離の影響が大きかったのでしょう。呼び名が変わったとはいえ、

【そんしょう】される事無く今に残った事に感謝すべきかと思います。

しかし三重塔の前には早朝ながら人がちらほら。やはり映えスポットは違います。

塔の高さは25m、後方の那智の滝が133mなので、高さは五分の一に過ぎませんが、

迫力を以て迫るのは遠近法の影響でしょうか。

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三重塔と那智の滝
写真によく撮られる構図である。

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三重塔解説

 最近、映えスポットとして人気の富士の忠霊塔も、似たような構図。

那智の滝だけ、富士山だけでも十分絵になりますが、視界内に人造物が移り込んでいる所がポイント。

それだけに塔の拝観が外陣だけというのは非常に残念。

内陣に参拝して極楽往生を願うというのは夢物語に終わりました。

これを自然の雄大さに対する人間の卑小さと見るか、それに少しでも近づこうとした努力の賜物と見るかは、

人それぞれですが、いずれも堂宇でなく塔であることから私の印象は後者に近いでしょうか。

尤も、その為に人々の言葉が各方言になったというバベルの塔現象はありませんでしたが…。

 意外ですが塔自身は昭和47年の再建、前回の昭和55年時は8年しか経っていなかった事になりますが、

そう思わなかったのは、それだけ周囲に【なっち】していたからに他なりません。

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下から見上げた三重塔

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欄干、垂木、組物

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