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島原散策(京都市下京区)

2019.02.28(12:07) 150

下流が見た花柳界(2017.2.25)


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島原大門     島原の東口にある

 週末の急な関西出張の翌日の25日、京の冬の旅へ。

 島原は大阪新町、江戸吉原と並ぶ日本三大遊郭、と思っていましたが、

吉原は遊郭で歓楽街、島原と新町は花街で歌舞を伴う遊宴の場と別の業種。

女性もOKで男の町吉原のような閉鎖的な町ではなく放火や足抜けも殆どなかったそうです。

寛永18年の移転騒動が当時起こった島原の乱に似ていたから島原と呼ばれるようになったとありました。

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角屋から大門へ向かう路
銭湯の名も「誠の湯」。ここで一風呂浴びて銭湯態勢に入ったか?

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角屋北側の塀

 3月14日まで公開中の角屋(すみや)を見学。敷地700坪、建坪500坪の豪邸で唯一残る江戸期の揚屋で文化財。

昭和60年まで現役の料亭でした。今は当主の中川家15代目が理事長を務める財団法人。

祇園に移る計画だったが、土地がなくて断念したとか。

てっきり太夫・花魁・芸妓さんが居る場所と思って来ましたが、ここは揚屋で現在の高級料亭。

芸者さんが居てはるのは置屋と別物でした。いい加減な知識で危うく恥をかく所でした。

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角屋表構え

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角屋入口

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角屋中戸口

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玄関より中戸口付近を望む。
赤壁が特徴。

 門脇には幕末長州藩士久坂玄瑞が密議に使った跡の碑があり、中戸口には新選組の刀傷もあります。

新選組は壬生寺に駐屯したのでここは至近、よくここで飲み食いしたようです。

京都の男とタイプが違ったので京女にも【新選】に映ったのかと想像します。

政治家の料亭好きは昔も今も変わらないとも言えますが、皆いつ死ぬか分からない状態で居るわけで、

酒を呑む事で不安を紛らわせるしかなかったのは【刃傷】と言うものです。

 食事の値段は1両(幕末時は今の¥5万位)を下らなかったとか。

勿論、花魁・芸妓さんが居ての額でしょうが、今でも瓢亭や菊乃井だとそれくらいはするでしょうから、

江戸時代が特別高かった訳ではない様です。

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幕末長州藩士が使った跡

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中戸口にある新選組の刀傷

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台所の竃
台所の天井は蝋燭の煤で真っ黒。

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西郷隆盛が使ったという盥。
先の戦(応仁の乱ではなく太平洋戦争)で、軍部が類焼を防ぐため取り壊しに来た時に、これを見せて取り壊しを免れたという。以後、近隣でもこの手を使った。盥回しというのはそこから来たかどうかは定かではないが…。

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中庭
左下の石は富士山を模ったとか。

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松の間の襖絵

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角屋臥隆松の庭(京都市指定名勝)
残念ながら臥龍松は枯れて、写真は新たに植えた松。この背後には山陰線が走る。

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臥龍松の根元と茶室

 角屋を出てからは少し歩いて輪違屋(わちがいや)へ。

元禄年間創業のこちらが本来の太夫・芸妓さんを派遣するお店、行って見れば人材派遣業の走りです。

今でも島原には大夫が居られるそうで、イベントに出るなど活躍されています。

中を見ようとすると門には観覧謝絶の文字が。下流の【おいらん】には【輪違】の場所ではありました。

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輪違屋。元禄年間創業。

最後は、歩いて今の花街祇園へ。賑やかさに加え最近は着物の人が増えており、なかには外国語で会話するカップルも。

これもグローバル化なのでしょうか?

 「祇園は恋ひし」 と詠んだのは吉井勇ですが、私は 「祇園で珈琲し」 てから 「お京阪」 で帰宅と相成りました。

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現在の花街祇園白川沿い

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・かにかくに 祇園は恋ひし 寝る時も 枕の下を 水の流るる
吉井勇の歌碑。祖父は薩摩藩士で明治の元勲伯爵吉井友実。

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お持ち帰りのコーヒーショップにて一服

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京都島原郵便局 ; 島原大門、大夫

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