<コース>
【往路】JR京都(6:37) → (山陰本線) → JR園部(7:21→7:25) → JR下山(7:53)
下山駅前 → 徒歩20分 → 大福光寺
【復路】JR下山(9:40) → JR園部(10:13→10:17) → JR京都(10:53) → 徒歩15分 → 西本願寺 → 京都駅前

雲晴山 大福光寺(真言宗御室派)
駅からアップダウンを繰り返しますが、息がアップしたり身体がダウンすることなく、20分で寺院門前に到着。
重文を所有する寺院は塀で囲まれる事もなく、木立の向こうに伽藍が建つだけの状態。
拝観料不要でいつでも拝観可能なのは大いに助かりますが、維持するのには苦労がありそうです。
早速、門前で一礼して境内参拝。

山門や塀のない伽藍
雲晴山大福光寺(うんせいざんだいふくこうじ)は、
『延暦年間(782~806年)に鞍馬寺の中興法印・釋峰延が毘沙門天守護のため創建。
創建時は現在地の北東にある空山(或いは深山)という標高595mの山の中腹で、屋敷跡には今も礎石が残る。
その空山の麓を下山、下の谷を鞍馬谷と名付け、現在も下山、鞍馬谷の名称がそのまま残っている。
一時は密教流布の根本道場として栄えたが、山上にあるため次第に衰微した。

共に重要文化財の多宝塔と本堂
その後、元享年中に足利尊氏が丹波路に至り、当寺の毘沙門天を信仰し戦勝の暁には
立派に修復建立せんと願をかけた。
幾多の戦いに勝利を得た足利尊氏は、正中2年に毘沙門堂・大福光寺等を山下の下山の地に移す事を計画。
嘉暦2年(1327年)に現在の地に移転、南北朝時代以降は足利将軍家の祈祷所となった。

重文・本堂遠景

正面より見た本堂の堂々とした構え

本堂近影
本堂は、俗に毘沙門堂とも言い、地名から地元では“蕨の毘沙門さま”と呼ばれる。
本尊の木像毘沙門天立像は鎌倉時代の作。鎌倉時代の建築であり方五間単層入母屋造檜皮葺で、
明治37年に特別保護建造物、昭和4年に国宝、昭和25年より重要文化財になった。
棟木には嘉暦2年10月23日上棟と記され、建築様式から見ても鎌倉建築の特徴を現わしており、
中でも菱欄間・格子戸は有名である。

本堂に掲げられた扁額

本堂前面に向拝はなし

本堂軒下の組物
内陣と外陣に分かれ、内陣は土間になっており礎盤がある。土間になっているのは非常に珍しい。
天井には彩色が施された跡が残り、外陣の後方を廻れないのが大きな特徴で日本に於いても数少ない。
寺宝に重文・紙本墨書方丈記・玉篇巻第廿四断簡を始め、絵馬に大永5年(1525年)の狩野元信筆の
板絵著色竹虎図、建武4年(1337年)の禁制札、鎌倉~室町時代の懸仏15面等がある。
中でも『方丈記』写本は著された32年後の寛元2年(1244年)に書写された最古の写本の一つ。
『玉篇』は唐代の物である。』 とあります。

本堂隅の構造

側面より見た本堂

大福光寺関連の文化財一覧
毘沙門さまを祀る本堂は外陣のみの参拝。菱欄間・格子戸は見ることができましたが
内陣へは入れなかったので、土間や天井を確かめることは出来ませんでした。
管理が大変なので仕方がない面はありますが、ここまで来て残念な思いが残ります。

解説にある格子戸?

こちらが菱欄間?
さて御朱印を拝受しようと境内を見渡しても、寺務所や受付らしきものは一切なし。
地方の寺院は維持が困難で無住の所が多いと聞いていたので「大福光寺よ、お前もか!」と呟く事に。
ふと境内の右手に目を遣ると道路の遥か向こうに、松の木がにゅーっと生え、白い塀がちらちらと見えます。
もしやと思い近付くと、山門には表札がありませんでしたが、門前には“大福光寺駐車場”の案内板が。

本堂横の道路の遥か先にお寺にような建物が目に

山門前へ到着

境内側から見た山門

門の前にある案内板
境内に入って寺務所らしき玄関でベルを鳴らすと奥様が出て来られ対応。
私 ; 「大福光寺さんはこちらですか?」
夫人 ; 「大福光寺は手前ですが。」
私 ; 「何メートル程、手前でしょう?」
などと 『池田の猪買い』 の様な遣り取りがあったかどうかは定かではありません。

白壁の内側の建物

こちらが現在使われている本堂

本堂横の庭

壁際に建つ石碑
説明がないので詳細不明なのが残念。
分かった事は、訪問したのが現在の大福光寺で、檀家の法要等は隣接する新しい本堂で行い、
伝統行事は重文の本堂で行うそう。宗教施設と文化施設の区別が厳密にできていました。
言って見れば二刀流ですが、文化財を護る上では有効な方法の一つなのかもしれません。
結果的に現在の大福光寺で書置き御朱印と説明書を拝受。当初の目的は無事クリアできました。
他に最古の写本である重文『方丈記』があるそうですが、こちらは京都国立博物館に寄託中。
方丈での拝観はなりませんでした。

こちらが寺務所

頂いた説明書
パンフと言うよりも学術書への記載か?

大福光寺御朱印
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