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薬師院 (岡山県高梁市上谷町)

2023.08.30(20:46) 1572

寅さんの滞留したお寺(2023.7.22)

<コース> 夏の青春18きっぷ使用
【往路】JR大阪(6:00) → JR姫路(7:30→7:31) → JR備中高梁(10:13)

備中高梁駅前 → 徒歩5分 → 郷土資料館・安正寺 → 紺屋川筋 → 商家資料館 → 石火矢町ふるさと村・武家屋敷 → 頼久寺 → 寿覚院 → 薬師院 → 松連寺 → 備中高梁駅前

【復路】備中高梁(13:51) → JR岡山(14:56→15:11) → JR相生(16:16→16:18) → JR姫路(16:39→16:42) → JR大阪(17:43)

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瑠璃山 薬師院 泰立寺(真言宗 善通寺派)

 寿覚院から更に南に行った場所に建つ薬師院は、「男はつらいよ 第32作 -口笛を吹く寅次郎-」

の舞台となった寺。門前に来ると確かに映画で見た記憶が蘇りました。

仁王門の手前には山号院号寺号標が立ち、別の面には

一天泰平 四海静謐 風雨順時 百穀豊饒

と難しそうな四字熟語と

兼密乗院 穆王代

と格式のありそうな文字が彫られていますが、その直ぐ右脇には「男はつらいよ ロケ地」の石標も。

ロケ地ならではのロケーションですが、このギャップが何とも愉快です。

続いて壮麗な仁王門を潜りますが、そこに置かれた仁王像はどこかドリフターズを髣髴とさせる作風。

これも【怒りや!】と言えばそうなのかもしれません。

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階段登り口に建つ山号寺号標

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その脇にはこんな石標も

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赤い垂れ幕が印象的な仁王門

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右側の阿像

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左側の吽像

 瑠璃山薬師院泰立寺(るりさんやくしいんたいりゅうじ)は、

『真言宗善通寺派に属し、寺伝に拠れば寛和年中の985年頃、花山法皇の開基と伝わる。

元は別の場所に建てられていたが、火災に拠ってこの地に移転。

正保年間(1644~1648年)に伽藍が整備されたと言われる。

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仁王門の先には更に階段が続く

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階段途中から仁王門を振り返る

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階段を上った先からの城下の眺望

 本尊は薬師瑠璃光王如来、50年毎に秘仏御開帳法要が行われる。

本尊を祀る薬師院本堂は棟札に拠ると元和10年2月(1624年)の建築で県指定の重要文化財。

三間×三間の単層で入母屋造、屋根は本瓦葺で、正面一間に向拝を持つ形式となっている。

 軒は二重の繁垂木で蛇腹支輪を設け、柱は来迎柱を除いて全て面取りしてあり、

組物は禅宗様の一手先を詰組としている。

正面には五段の階段を置いて登高欄を付け、四面に擬宝珠高欄付きの縁を廻らしている。

正面中央の間には牡丹の彫刻を入れた蟇股を飾り、その下には上部を菱孔子の透かし、

下部には入子板の上に模様を彫刻した両開桟唐戸を設けている。

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階段先から見た境内全景

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石畳の先には薬師院本堂が建つ

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本堂正面

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方丈前からの眺め

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本堂の向拝と軒下の組物

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四隅にある擬宝珠高欄付きの縁

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本堂の扉

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正面の両開桟唐戸と牡丹の蟇股

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桟唐戸の彫刻 鷹(左)と鶴(右)

 江戸時代の建築であるものの、勾配のきつい大屋根とこれを支える組物、桟唐戸の彫刻他、

随所に雄大豪華な桃山風の特徴がよく表れている。

 山門右にある大仙堂の石造延命地蔵は鎌倉期の作風を感じさせる市指定重要文化財である。

また裏山には三十三観音霊場があり、参拝者が絶えない。』 とあります。

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本堂前からの城下の眺望

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これは子安地蔵様

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手水舎にも「男はつらいよ」の札が

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階段横の鐘楼

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御仏の手の形をした椅子
何となく岡本太郎好みにも見える。

「第8作-寅次郎恋歌-(昭和46年)」 では寿覚寺・岡村邸の門がロケ地になっていますが、

撮影に使われたのは屋外。一方、「第32作 -口笛を吹く寅次郎-(昭和58年)」では

体調の悪い住職に代わって寅さんが急遽お坊さんに化けますが、法事に来た家族にばれてしまう話。

この時はお寺そのものが舞台でした。

二作の間には12年の隔たりがありますが、それまでは境内を貸すだけであったのが、

寺自体も使えるように変化。それだけオープンになったといえます。

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方丈を左に見て寺務所へ向かう

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書院玄関とその奥にある寺務所玄関

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書院玄関の唐破風

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寺務所全景

 当院で文化財は薬師院本堂ですが、さすがにそこは使わず。

新たに建てられた本堂(方丈)が撮影の舞台として使われました。当然といえば当然ですが、

新築した伽藍を有意義に使う事ができたのは当院にとってもプラスになった筈。

仏教の聖地は映画の聖地にもなったわけですが、これを機に薬師院が【役者院】になることはありませんし、

御本尊が浅丘ルリ子如来と呼ばれることもなさそうです。

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寺務所玄関にて御朱印拝受待ち

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ロケの写真などは自由に閲覧できる

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薬師院御朱印

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下の駐車場から見た境内遠景

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