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養老寺 養老孝子源丞内 (岐阜県養老郡養老町養老公園) <養老寺 其の弐>

2023.09.13(19:39) 1586

境内の奥津城(2023.8.5)

<コース> 夏の青春18きっぷ使用
【往路】JR大阪(5:55) → JR米原(7:42→8:04) → JR大垣(8:36)

大垣駅(9:08) → (養老鉄道) → 養老(9:30) → (レンタサイクル10分) → 養老寺 → 徒歩15分 → 養老神社 → 徒歩15分 → 養老の滝 → 徒歩30分 → 養老寺 → (レンタサイクル5分) → 大菩提寺 → (レンタサイクル50分) → 道の駅 月見の里 → (レンタサイクル10分) → 徒歩10分 → 行基寺 → (レンタサイクル10分) → 駒野駅

【復路】駒野(15:16) → 大垣(15:53→16:04) → JR米原(16:39→16:47) → JR大阪(18:13)

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瀧壽山 元正院 養老寺(浄土真宗大谷派 西美濃三十三霊場第二十五番札所)  
源丞内墓碑

 養老寺の奥の一角には開基の源丞内(げんじょうない)の碑がひっそりと建ちます。

当寺の由来となった人なので、ここは素通りする訳にはいきません。

『元正天皇の御代、養老山の麓に源丞内と言う貧しい樵(きこり)が住んでした。

朝な夕な山で薪を採っては年老いた父を養っていたが、父親の好む酒は十分に求める事は出来なかった。

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横から見た不動堂とその奥にある丞内の墓碑

 或る日、山に行った丞内は岩根を伝わる滝の水を眺めながら

「ああ、この水が酒であたらなぁ。」 と思った時、不覚にも転倒。その時、どこからともなく

酒の香りが漂い、不思議に思って辺りを見回すと付近の岩の間の泉から山吹色の水が湧出。

舐めてみると美禄の香りを放つ真の酒であり、「天よりの授け物だ」と喜んだ丞内は

ひさご(瓢箪)に詰めて持ち帰った。

 始めは半信半疑であった父親も、一口飲んでうち驚き、二口飲んで額を叩き、

三口飲んでは手を叩き、二人の喜ぶ声は近隣にまで聞こえたという。

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墓碑の脇には養老改元1300年記念碑が建立

 やがてこの事は都の元正天皇の耳にも達し、

「これは源丞内の感心な孝行の行いを天地の神々がお褒めになったものである。」と仰せになり、

天皇自身も当地へ行幸。年号を養老に改め、源丞内を役人に取り立てた。』 とあります。

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墓碑と石仏
今も参拝する人が多い?

 養老の滝は、元正天皇の御代に、老父を養っていた美濃の貧しい木こりであった源丞内(げんじょうない)が、

酒の香りのした湧水を瓢箪に入れて持ち帰り父に飲ませたのが始まり。

後に現地を訪れた天皇もその霊泉で病が回復、養老と改元したのが由緒。

風邪に改源は効きますが、酒で改元は稀な話。

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墓碑の周りには歌碑や句碑が建つ

 いくら古代でも酒が湧き出るのを信じる程、民衆は愚かではありませんし、そんな事は【現状ない】もの。

しかし源丞内は『続日本紀』にも登場する実在の美濃国司なので、恐らく貧しい身から

立身出世し彼から伝説が生まれたもの。

奈良時代は皇位を巡る争いや疫病もあって社会不安が増大した時代。国家を救うために

聖武天皇が奈良に大仏を、諸国に国分寺・国分尼寺を建てるのは元正天皇に続く時代になります。

そんな時代にあって人心掌握するのに利用されたのが改元で、しかも普通に改元するだけではなく、

なにがしかの瑞祥を踏み台に行ったのが【随所】に見えます。

養老の前後は霊亀・神亀で、偶々甲羅に目出度い文字が見える亀が捕まったのが理由とか。

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・多岐輪中 大垣輪中 夏に入る  と読めるが…

 甲羅の模様が文字化けするとは考え辛く、政権側がなにがしかの細工をしたのはほぼ確実。

これで社会不安が収まればよいですが、中々思い通りにいかないのが政治。その後も度々行われています。

これから半世紀後には宝亀が登場。再び亀にお呼びがかかった訳ですが、

人民は「懲りんやっちゃなぁ。」 と呆れていたに違いありません。

 己の出世を上手く利用された源丞内ですが、彼がどこまで関わっていたのかは疑問。

しかし背景を思うと彼の周囲にも、酒臭さならぬ胡散臭さが漂うのもまた事実と言えそうです。

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養老孝子御朱印
住職夫人の話では、こちらが本式だそう。

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