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タイトル画像

行基寺 藩主の間から苔庭へ (岐阜県海津市南濃町上野河戸) <行基寺 其の伍>

2023.09.21(20:36) 1594

苔があっても扱けない庭(2023.8.5)

<コース> 夏の青春18きっぷ使用
【往路】JR大阪(5:55) → JR米原(7:42→8:04) → JR大垣(8:36)

大垣駅(9:08) → (養老鉄道) → 養老(9:30) → (レンタサイクル10分) → 養老寺 → 徒歩15分 → 養老神社 → 徒歩15分 → 養老の滝 → 徒歩30分 → 養老寺 → (レンタサイクル5分) → 大菩提寺 → (レンタサイクル50分) → 道の駅 月見の里 → (レンタサイクル10分) → 徒歩10分 → 行基寺 → (レンタサイクル10分) → 駒野駅

【復路】駒野(15:16) → 大垣(15:53→16:04) → JR米原(16:39→16:47) → JR大阪(18:13)

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臥龍山 行基寺(浄土宗 西美濃三十三霊場第二十七番札所)
書院の間から見える苔庭と岩肌

 濃尾平野を見渡せる対面の間から中庭を挟んで北側には藩主の間が。

どちらかと言えばこちらが文字通り対面の間ですが、そこへ行くには短いながらも

書院縁側から木製の反り橋を渡る必要がありました。

他からは隔離された感があり、中央には段差がついた畳が敷かれていますが、広さは僅かに六畳。

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対面の間から北側を望む

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これは廊下左にある書院の間
人気が無いのに茶器が置いてある。

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廊下から木製の反り橋を渡り藩主の間へ
右の舟型の手水鉢で手を清める?

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国会のような赤い毛氈を踏んで藩主の間へ

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驚くほど質素な藩主の間

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藩主の間
御殿様は高い場所に座る?

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六双一曲の屏風
画題は中国の隠者?が琴や碁を打つ光景。

 部屋からの眺望も先程の対面の間には及びません。

殿様の贅沢と言うよりも、日常の喧騒から逃れる場所だったのでしょう。

古代から現代に至るまで、日本の贅沢はこの程度のものです。

藩主の間も周囲に苔で覆われた庭に囲まれていますが、

極めつけは書院を越えた場所にある西の庭園。

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藩主の間の東側の庭園

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こちらは北側の庭園

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藩主の間から揖斐川方面を眺めるとこんな感じ

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藩所の間から南側の庭園・対面の間・書院を見る

『当山の庭園は、松平家菩提寺となった際に、緑山和尚に拠り作庭。対面の間に面した東側には

南北に広がる雄大な濃尾平野を借景にした眺望の庭園があり、百八個からなる飛石が周囲を囲んでいる。

各書院からは濃尾平野は元より、南は知多半島、北は日本アルプス連峰を眺めることが出来る。

一方、書院西側には自然の岩肌を活かした枯山水の庭園が、苔庭の奥には岩肌を伝って落ちる滝水がある。』

とあります。

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書院の廊下より西側の苔庭を眺める
正面に見えるのは本堂。

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苔庭を北に見ると正面の砂岩の岩盤からは自然の滝が落ちる

 東の庭園が部屋から遠景を望む場であるのに対し、西の庭園は部屋から間近な場所を見る場と言えます。

ここ揖斐川右岸は川の堆積の関係で砂岩・泥岩に覆われた場所。濃尾平野を一望できることも理由でしょうが、

その岩から滝が落ちているのが、この場所に寺院が開創された一番の理由。

その辺りの経緯は午前中に参拝した養老の滝にも共通するものがあります。

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書院の間に座り庭と滝を眺める

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少し本堂寄りからの眺望

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本堂の高みから書院と苔庭を見下ろす

 「ブラタモリ」では自然の石と滝をそのまま残した庭が絶賛されていましたが、人が手を加えずとも

美しいものは美しい訳で、それを実践した江戸期の縁山和尚の美意識が伺える話です。

滝のある一角は苔の庭となっていますが、これは水に恵まれた環境のお陰。

放映時は雨の季節で苔の緑も鮮やかでしたが、この日は梅雨明け以降の雨が降らない状況のため

苔が焼けているのが気に成りました。降雨を司る龍が山号ですので、きっと回復してくれるでしょう。

【臥龍晴天で枯る】などあってはいけません。

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本堂縁側より岩盤を間近に見る

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滝の近影
滝の落ちる場所は植物の生育が良い。

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横から見た滝

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この時期でも日陰の苔はこのように元気

 当寺はこの辺りでは珍しく拝観料が必要(¥400)ですが、庭園維持も大変だからでしょう。

テレビでは関係者の姿が全く見えませんでしたが、受付では妙齢の上品な御婦人が対応下さいました。

恐らく住職夫人でしょうが、テレビに映るなど【ぎょうき】が悪いと思われたのか、気になる所です。

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苔庭奥の砂岩の岩盤

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岩盤は苔庭から本堂奥へと続く

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本堂の間近まで岩盤が迫る

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書院の掛け軸は平屋に相応しく?『平家(ひらや)物語』 の祇園精舎

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書院欄間の透かし彫り

 レンタサイクルは駒野駅で返却も可能でしたが、途中の養老駅で列車の行き違いで5分停車するので、

サイクルトレインを利用して返却しました。こうして養老沿線の二ヵ所での社寺の参拝も無事終了。

留守の所もありましたが、先ずは予定通りと言って良いでしょう。

欲を言えば市内の輪中にある“おちょぼさん”こと千代保稲荷にお参りして、

参道でナマズの蒲焼を食べたいところでした。

郵便局訪問の予定もあったので、次回に持ち越して問題なかったのですが、

帰宅後、養老の滝に参拝した人がナマズを食べたら罰が当たることを知った次第です。

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駒野駅ホーム看板は名産のみかん

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駒野駅記念入場券
キャラは駒野みかん

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サイクルトレインでこの日の相方ともお別れ

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駅前で見た海津市マンホール蓋
お稲荷さんとナマズは次回に持ち越す羽目に。

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