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タイトル画像

正法寺 (京都府八幡市八幡清水井)

2023.12.05(21:09) 1663

尾張良ければ全て良し(2023.11.23)

<コース> 京阪電鉄は日中、10~15分間隔で運行
淀屋橋駅 → (京阪特急) → 樟葉 → (準急) → 石清水八幡宮駅 → (徒歩15分) → 善法律寺 → (徒歩10分) → 正法寺

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徳迎山 正法寺(浄土宗単立寺院)

 善法律寺から東高野街道を700m程南下、街道沿いには昔ながらの町家も三軒程、散見されます。

その右手に建つのが正法寺。

先に参拝した善法律寺が狭い敷地に紅葉を中心とした樹木に覆われた寺であるのに対し、

こちらは広い境内に伽藍が点在する寺院。宗派も違えば印象も全く異なります。

寺名も「しょうほうじ」ではなく「しょうぼうじ」なのは火災を防ぐ意味合いでしょうか?

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寺の門前で北側を望む
停まっているのは、この日の相棒。

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寺の向かいにはこのような家が

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寺院の入口には 「尾張大納言義直殿 母堂相應院殿墓所 正法寺」 の石標が建つ

 徳迎山正法寺(とっこうざんしょうぼうじ)は、

『建久2年(1191年)に天台宗寺院として開創。鎌倉幕府御家人で源頼朝の幣礼使として

当地に来住していた高田蔵人忠国が当寺を開いたと寺蔵文書が伝える。

高田氏は静岡県清水の出身で後には清水氏を称していたが、石清水の「清」の字を避けて志水氏と改称。

石清水八幡宮の社家として存続し、正法寺はその菩提寺であった。

 室町時代には京都知恩寺末として栄え、10世聖誉・11世伝誉は知恩寺住持となっている。

特に伝誉は後奈良天皇の帰依を得、天文15年(1546年)正法寺は勅願寺となり

「徳迎山正法寺」の勅額を賜っている。

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東に開いた山門の向こうの伽藍遠望

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南の住宅地の中にはこのような門もある

 近世になると志水宗清の娘お亀(1576~1642年)が徳川家康の側室 (相応院)

として尾張藩祖義直の生母となったため、志水氏は尾張藩の国家老となっている。

お亀の方は落飾して相応院と号し、没後は、その菩提寺になり、

朱印地500石を受けた他、尾張藩の庇護を受けて繁栄した。

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参道の向こうに見える七堂伽藍

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参道手前右手に建つ御堂

 現在の伽藍は相応院の寄進に拠るもので、本堂・大方丈・唐門(いずれも国の重文)は

寛永7年(1630年)に志水甲斐守忠継が修造したものである。

唐門は唐破風造りと入母屋造りを組合せた屋根、親柱筋の牡丹の浮彫彫刻、

桟唐戸の牡丹唐草の浮彫など装飾性豊かな門である。

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重文・唐門

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唐門近影
「徳迎山」 の扁額が架かる。

中門を入って直ぐの鐘楼は元和7年(1621年)の建立。梵鐘には慶安年間(1648~51年)の銘が入る。

極めて正統的な梵鐘で下層を板で覆い、上層を彩色した袴腰付の鐘楼であるが、長年の風雪で退色が著しい。

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中門を抜け七堂伽藍の建つ境内へ

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京都府指定文化財の鐘楼
説明書やネットでは遥かに鮮やかな朱色で掲載されている。

 大方丈は禅宗寺院の方丈の一般的な構成と同様で、後室中央は仏間となっている。

上段の間は高貴な方を迎える公的な室空間で床の間は西側、

その右方に書院、反対の左方に違い棚がある珍しい形式である。

松の大木などを描いた雄大な襖絵が飾られて居り、

障壁画、襖絵は狩野探幽に繋がる作者と考えられている。

本堂は南面であるが、大方丈は東方を正面にしているのも珍しい。

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大方丈、本堂へと向かう唐門
拝観の際は左の大方丈への門から入り、右は勅使を迎える際に開かれる。

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唐門近影

 書院は宝永4年(1707年)、第19世顕誉上人の代に建立。西側に庭があり、

床と付書院のある北側の部屋が一の間、その南続きの部屋が二の間に当たる。

 小方丈は高貴な方の休息の場所。床の間と上段の間を備えた主室9畳、

そして同じく10畳の次の間を中心とした構造である。小方丈・書院・鐘楼も

近世前期の建物を当時の規模そのままに保っており京都府指定文化財となっている。

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大方丈への唐門蟇股の彫刻

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本堂への唐門彫刻は竹に虎

 本堂は相応院の発願に拠り建立。軒は二重、地垂木、飛檐垂木の先端には逆輪が取り付けられている。

内陣は極彩色の装飾が施され、現在でも当時の色彩が残って居り、

軒先は金箔を貼った木製品「逆輪」で飾られている。本尊は観音勢至菩薩を従えた阿弥陀三尊像で、

藤原様式に則り全体を巧みに纏めた像であるが、製作年代は鎌倉初期と推測される。

 境内の法雲殿には南へ約1㎞の所にある八角堂に祀られていた木造阿弥陀如来坐像が

2008年に移され安置されている。』 とあります。

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塀越しに重文・大方丈を見る

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大方丈 上段の間 (説明書より)

 ガイドやネット情報で、拝観は事前予約とあったので、拝観は勿論、境内に入るのも無理かと思いましたが、

境内へは自由。本堂や方丈を含めた地域のみ閉門中となっていました。

御住職と思しき方が、ゴミ出しをされていたので、

私 ; 「拝観はできないと聞きましたが、御朱印は御願いできますか?」

住職 ; 「書置きしかございませんが宜しいですか?」

私 ; 「書置きが頂ければ充分です。」

との遣り取りで、¥200で御朱印と説明書を拝受。

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唐門の手前にある庫裏

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こちらは庫裏の玄関か?

私 ; 「私の地元に尾張徳川家と縁続きの文化財の家がありますが。」

住職 ; 「その方ならば、毎年墓参に見えますよ。」

私 ; 「拝観は予約制とききましたが…」

住職 ; 「今は、事前に決めた日程のみ参拝者に見て頂く事になっています。」

私 ;「次回は何時でしょう?」

住職 ;「3月末頃の二日間を予定しています。いずれHPでお知らせしますので。」

私 ; 「事前予約が必要ですか?」

住職 ; 「いえ、9~14時くらいの間に来られたら大丈夫です。説明付きでほぼ1時間です。」

私 ; 「檀家さんは何家くらいでしょう?」

住職 ; 「うちは檀家がいないのですわ。」

私 ; 「それは維持管理が大変ですね。」

住職 ; 「規模が小さくて檀家さんが多いお寺が一番恵まれています。」

との話。

なんでも、地元のボランティアの方に説明をお願いされているそうですが、

拝観しても1日数名の事が多く、余りにも申し訳ないので、特定日に公開するようになったとか。

拝観も合理化が必要なのでしょう。

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本堂庭園の左に大方丈、正面に本堂が建つ

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砂紋と刈込の奥に見える本堂

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塀越しに見る本堂

 また塀の向こうの庭は禅宗様の砂紋と置石がありましたが、

昭和の名作庭家・重森三玲氏と一緒に仕事をされた方の作。

今は御住職が砂紋を付け整備されているそうです。

それも間近で拝観できるとあれば、次回は見逃してはなりません。

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本堂庭園の苔と刈込
春には桜の名所となる。

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庭園右手には重森三玲様の石組が

 寺社を維持するためには経済力が不可欠ですが、その方法は二通りあって、

大檀越を持つか、小さい檀家を多く持つかのどちらか。

江戸時代には藩主の菩提寺など前者に相当する寺院が栄えますが、

神仏分離及び廃藩が行われた明治以降は専ら後者に重点が。

有名な観光寺院もこれに当たるでしょう。

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本堂阿弥陀如来及両脇坐像 (説明書より)

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重文・木造阿弥陀如来坐像 (説明板より)

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阿弥陀如来坐像解説

 室町と江戸の違いはありますが、将軍家の縁者を檀家に持った点では先に参拝した善法律寺も正法寺も同じ。

唯、拡張することなく木々を植えて美観に拘った前者と、伽藍を拡張した後者との違いと言えます。

当時の人々には、当寺の方が恵まれたと思う向きも多かったと思いますが、

幕府が崩壊して思わぬ大誤算。今では却って伽藍の維持が足枷になっているようでした。

これで【おわり】とならず何か復興の【とっこう】薬でも見つかれば良いですが…。

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正法寺説明書

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正法寺御朱印 (書置き)

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