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古知谷阿弥陀寺 山口玄洞の事 (京都市左京区大原古知平) <阿弥陀寺 其の参>

2023.12.09(18:23) 1667

言動一致の人(2023.11.26)

<コース> 京阪特急は10分間隔、京都バスは30分間隔で運行
淀屋橋 → (京阪特急) → 出町柳 → (京都バス) → 大原 → (徒歩25分) → 阿弥陀寺

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光明山 法国院 阿弥陀寺(浄土宗)

 渓流に沿って映えるカエデを見つつ、9時過ぎに受付着。

いよいよ入山して御本尊に御対面となる訳ですが、周囲を見渡すと幾つかの建物が。

 拝観前に山手にあるお手洗いに向かいましたが、その左方面には建屋が二棟。

柵に仕切られ近付けませんが堂宇にも書院にも見える構造で、崖から張り出した様は懸造でしょうか?

改装すれば旅館の離れとしても十分活用できるように思えました。

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境内の山手に建つ二棟

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手前は崖から張り出した構造に

 受付を入って直ぐに建つ瑞雲閣は、崖の上に聳える茶室の体。

私 ; 「あちらの瑞雲閣は茶室ですか?」

住職 : 「茶室風に造られた書院部屋ですね。」

私 ; 「と申しますと…。」

住職 : 「建物を寄進された山口玄洞(げんどう)と言う方が、自身が見えた時に泊まっていたそうです。」

私 ; 「以前の、御住職ですか?」

住職 : 「いえ、昭和の実業家の方です。」

私 ; 「こちらの檀家さんとか?」

住職 : 「いいえ、宗派を問わず京都市内の多くの寺院に寄進された有名な方らしいです。」

私 ; 「初耳ですね。」

住職 : 「確か尾道出身で寝具で財を成したと聞いています。」

私 ; 「お寺のパンフには載っていますか?」

住職 : 「パンフには記載されていませんが、ネットには載っている人です。」

ガイドやお寺のパンフにも載らない凄い人というのがその時の印象でした。

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お手洗い前からの眺め

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苔生した岩の散紅葉

 山口玄洞は、

『文久3年(1863年)、尾道で医業を営む山口家に生まれる。9歳の時より対岸の愛媛の漢学塾に学ぶが、

明治10年(1877年)父の急死に拠り帰郷。学業を諦め商売の道へ進む。

 翌年、大阪に丁稚奉公に出たのを皮切りに、明治15年(1882年)に大阪伏見町に独立商店を開業。

輸入モスリンを中心に規模を拡大して行く。

明治29年(1896年)、36歳の時に山口家四代目として代々の家名玄洞を継ぎ、

明治37年には多額納税者として貴族院議員に互選された。

その後、いくつもの企業の経営に携わった後、大正6年(1917年)56歳を以て実業界を引退。

後継者の事業に容喙することなく京都市内の本邸にて余生を送った。

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二棟の建屋近影

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高台の建物は宿泊用か?

 玄洞は大阪で財を成したことから、その財産の多くを関西や故郷尾道の公共事業、

慈善事業や寺社に寄付。大正・昭和に於ける寄付金王とも呼ばれた。

初めは教育・医療や災害への寄付が中心で、後には寺社への寄付へと移った。

寺院への寄付に当たっては、

① 由緒正しい寺院であること

② 景勝の地にあること

③ 住職の人格が優れていること

をその条件として挙げたという。

 こうして当時の金額で事前・公共事業に二百数十万円、寺社へは三百万円を超える寄進を行った

玄洞は昭和12年(1937年)73歳にて死去。戦後の昭和42年には尾道市名誉市民1号に選ばれた。』

とあります。

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山へと続く石段

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山側に生える紅葉と手前に建つ石仏群

 実家は医者とありますからそれなりの社会的地位ですが、丁稚奉公も経験しているので、

立志伝中の人と言っても良いでしょう。

戦前は最高税率も今と違って低かったようですから、実業家で寄付をした人は結構います。

それでも高額な寄付は誰にでもできる事ではありません。

加えて玄洞の寄付には、生きた金の使い方をするという哲学が感じられます。

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受付を過ぎて右側にある苔の石組

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瑞雲閣全景

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瑞雲閣入口と手前に置かれた蹲

 寺社への寄付も、それが地元の人や参拝者に還元される事を見越してのもの。

現在の最高税率は八割方なので、こんな寄付は夢物語。代わりに国が税金で賄っていますが、

後世に名前が残る事はないためその効果を考えずに使う所謂バラマキなので対費用効果が薄いのでしょう。

何でも昔の遣り方が良いとは言えませんが、今一度、先達の行為に立ち返ってみるのも必要かと思います。

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瑞雲閣に続く庭園

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石畳を抜け本堂へ

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