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熊野摩崖仏 (大分県豊後高田市田染平野) <熊野 其の壱>

2024.02.21(21:20) 1737

紛い物ではない摩崖仏!(2023.12.2)

<コース>
【往路】JR大分(8:00) → JR宇佐(8:50)

(国東半島ツアーバス) 宇佐駅前(10:15) → 宇佐神宮(滞在50分) → 富貴寺・昼食(滞在60分) → 真木大堂(滞在20分) → 熊野摩崖仏(滞在55分) → 財前墓地(車窓見学) → 両子寺(35分) → 大分空港(16:00) → 別府駅東口(17:05) → 大分駅前北口(17:30)

【復路】大分駅前(20:20) → (近鉄高速バス) → 大阪駅前(7:20)

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今熊野山 胎蔵寺(天台宗 六郷満山霊場第六番札所)

 真木大堂で仏像と石造を見た後は、六郷満山の写真にも登場する熊野摩崖仏へ。

観光ガイドの写真や駅スタンプの図柄にも取り上げられる国東を代表する史跡。

平安後期の作とされ国内最古にして最大級の摩崖仏で国の重要文化財にも指定されています。

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JR宇佐駅スタンプにも熊野摩崖仏が

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胎蔵寺の右手に摩崖仏への山道が

 観光バスは田染にある田原山(鋸山)山麓に建つ胎蔵寺前で停車し、御朱印は入口の待合所で拝受。

六郷満山第六番札所は胎蔵寺ですが、ここではそれに加えて摩崖仏御朱印も頂くことができました。

胎蔵寺へは左の道ですが、摩崖仏へは寺院脇右手の急な参道を上る事に。

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熊野摩崖仏解説書

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熊野摩崖仏御朱印
摩崖仏の墨書に国東熊野権現の朱印。

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ここから山道スタート

 ガイドさんからは

「足に自身のない方は、ここで休んで下さい。」

と親切なアドヴァイスがありましたが、こちらは意地でも拝まずには居られません。

真木大堂の滞在時間は35分でしたが、ここでの滞在は55分。

山道の往復時間も含まれるからでしょう。

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始めは渓流添いのなだらかな坂道を往く

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続いて階段が出現

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左の石垣はかつての坊跡か?

 途中、鳥居から摩崖仏まで続く石段は鬼が築いたとか。

鬼の霍乱は聞きますが、鬼の石段は初耳でした。

『胎蔵寺から山道を約300m登ると、鬼が一夜で築いたと伝えられる自然石の乱積石段に掛かり、

この石段を登った左方の巨岩壁に刻まれているのが日本一雄大な大日如来と

不動明王の石仏であり、これらが熊野摩崖仏である。

熊野とはこの石段を登り切った先に鎮座する熊野神社に拠る。

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途中、山道を振り返る

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行く手に石鳥居が見えると鬼の石段は直ぐ

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柱の上の輪は神仏習合の名残り

 伝説では養老2年(718年)、宇佐八幡宮の化身仁聞菩薩の作と伝えられ、

近くの山中には「御所帯場」と呼ばれる作業時の宿泊跡がある。

この石仏の造立年代資料となる「六郷山諸勤行等注進目録」や「華頂要略」等の

安貞2年(1228年)の項に「大日石屋」「不動石屋」の事が記されているので、

鎌倉初期には大日、不動両像の存在が明確である。

また胎蔵寺が記録に現れるのは仁安3年(1168年)の「六郷山二十八本寺目録」であるので、

摩崖仏の造立は藤原末期と推定される。

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・信心を 石段で見る 摩崖仏  
鳥居脇に建つ大分出身の川柳家・内藤凡柳の碑
 
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鳥居前から上って来た山道を振り返る

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鳥居の先が 「鬼の石段」

 向かって右に位置するのは高さ6.8mの大日如来。高さ約8mの龕の中に彫り出されている。

螺髪等の造形的特徴から不動明王像よりも製作年代が遡ると推定される。

頭部上方の三面に刻まれている種子曼荼羅は鎌倉時代の追刻である。

脚部を掘って見ると石畳が敷かれ、地下に脚部が埋没していない半立像である。

尊名は大日如来と言われているが、宝冠もなく印も結んでいないので

薬師如来ではないかと見る向きもあるが、やはり大日如来の古い形と思われる。

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右手に聳える大日如来像
手前にあるのは賽銭箱か?

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大日如来像近影

 左に位置するのは総高8mの不動明王。大日如来と同じく半立像で下部はあまり人工の手を

加えていない。右手に剣を持ち巨大かつ勇壮、左側の弁髪は捻じれて胸の辺まで垂れ、

両眼球は突出し鼻は広く牙を以て唇を噛んでいるが、一般の不動の様な憤怒相はなく、

却って人間味のある慈悲の相を備えた優しい顔である。

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不動明王像全景

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柵があるので摩崖仏には近付けない

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穏やかな表情の不動明王像

 昔から文人墨客に好まれ、佐々木信綱は

・山椿 花咲きしだり 荘厳す 大き岩にえれる この摩崖仏

と詠んだ。

 厚肉彫の雄大、荘厳な摩崖仏であるため、国指定史跡でありながら美術工芸品としての

価値が高いとして国の重要文化財指定を併せて受けたものである。』 とあります。

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磨崖仏参拝の後は更に上を目指す

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最高所に鎮座する熊野神社拝殿

 幸いにも時間内に摩崖仏と熊野神社まで往復できましたが、あの高所まで行き、

なおそこで岩壁に仏像を刻んだ先達には脱帽するしかありません。

 中世には宗教が民衆の心を広く捉えた時代ですが、

一方の宗教家にもそれだけの気概があったのもまた事実。

これほどの仕事を成し遂げるには鋼の意志があったのでしょう。

「鬼の石段」とはもしかすると彫った職人をあらわすのかもしれません。

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拝殿前面の向拝下にて

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拝殿の奥にある本殿は崖に抱かれた形

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拝殿前の御神木は熊野杉?

 通常は御本尊の大日如来が主の筈ですが、ここでは不動明王の方がスケールも大きく表情も豊か。

これは安山岩質の硬い岩壁に造られたために彫り口がやや浅くなったためと記されていますが、

私的には彫刻師の心が反映された作と考えたいです。

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こちらも熊野ゆかりの梛(なぎ)の御神木

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崖に穿たれた岩龕と石塔

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