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詩仙堂(京都市左京区) 文人武将の隠居所

2019.12.21(21:35) 511

徳川譜代の臣の凹凸人生(2019.12.6)

<コース>
京阪淀屋橋 → (京阪電鉄) → 出町柳 → (叡山電鉄) → 一乗寺 → 徒歩8分 → 詩仙堂

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六六山 詩仙堂 丈山寺 凹凸窠(曹洞宗)

 この日は夕方、京都市内で会合があるので、

少し早めに出て叡山電鉄一乗寺駅で下車して北白川付近を散策。

 古くは宮本武蔵と吉岡一門の決闘の場所、最近はラーメン街道で知られますが、

この付近は寺社が多い事でも有名です。

詩仙堂は江戸初期の文人・石川丈山の山荘跡。

文人らしい家屋と庭園が有名な観光名所ですが、

正式には永平寺の末寺の曹洞宗の寺院です。

 詩仙堂と書かれた石標の後ろにある竹の小さな門を潜り、

樹木に囲まれた石畳を進むと小さな茅葺の門の向こうに

楼を持った三階建ての家屋が出迎えます。

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京福電鉄一乗寺駅の改札を出ると直ぐにこの石標が

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途中にある「一乗寺下り松」の跡

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詩仙堂入口へ到着

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小有洞の門
入口に建つ竹で出来た門。「文人は竹を友とす」に拠るのか?

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参道から小有洞を見返る

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この石段を上ると山荘に

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参道を上り詰めた場所に建つ「老梅関の門」

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玄関前の庭

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玄関から見上げた嘯月楼

 詩仙堂は正式名・六六山詩仙堂丈山寺凹凸窠(ろくろくざんしせんどうじょうざんじおうとつか)、由緒に拠ると

『石川丈山は父祖代々徳川譜代の家臣で、松平正綱、本田忠勝は親族に当たる。

自身も十六歳で家康に仕えた。三十三歳の時、

大坂夏の陣で先登の功名を立てたが、それを家康に叱責されたため出奔。

京都にて藤原惺窩に朱子学を学び、広島の浅野家に十数年出仕。

五十四歳の時に母が亡くなったのを機に京都に戻り、

寛永18年(1641年)五十四歳の時に詩仙堂を造営し、

九十歳で没するまでの三十余年、文人として隠棲生活を送った。

近世における隷書、漢詩の大家として知られ、煎茶道の開祖でもある。

 邸内には「嘯月楼」という家屋があり、そこの一室に中国の詩人三十六人の

肖像を狩野探幽が描き、漢詩を丈山自身が書き四方の壁に掲げた。

これが詩仙堂の名の由来であり、建屋や庭園が山の斜面の

凸凹した場所に建てられたため凹凸窠と呼ばれた。』とあります。

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嘯月楼の1階から見た庭園(右側)

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嘯月楼の1階から見た庭園(左側)

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詩仙の間の前庭

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読書室であった「至楽巣(猟芸巣)」と前庭

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庭園から山荘を見る

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庭への降り口にある杉苔と紅葉

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左から嘯月楼、詩仙の間、至楽巣

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堂上の楼の近影

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紅葉の向こうに見える山荘屋根

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嘯月楼の前庭

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前庭から下の庭に向かう

 徳川譜代の臣が一度叱責された位で武士を捨てて隠棲するとは

信じがたい気もしますが、本人は【じょうだん】ではなかったのでしょう。

「先駆けをするような猛者は平時の能吏には向かない。」

大坂の陣で戦国の世の終焉を見届けた丈山は

己の役目は終わったと【脳裏】に悟ったのかもしれません。

大名屋敷には及びませんが、隠棲するには贅沢な環境。

波乱万丈の凸凹人生を送り死線を潜り抜けた武将の

終焉の地が【詩仙】堂というのも因縁を感じます。

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石垣に繁茂する羊歯類

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下の庭に百花を配したという「百花塢(ひゃっかのう)」

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百花塢の前の池と残月軒

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残月軒近影
茶室の扱いか?

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残月軒横の藤棚と紅葉

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更に下って坐禅堂へ

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途中は苔の絨毯

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坐禅堂である「十方明峰閣」

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庭の最も奥まった場所から

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山茶花

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洗蒙瀑
庭に下り蒙昧を洗い去る滝の意味。

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一般には鹿威しと呼ばれる添水・僧都(そうづ)
山荘内の静寂の中で唯一大きく響く音で、丈山も好んだと言われる。

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至楽巣の脇の井戸「膏肓(こうこう)泉」
丈山自身が「病膏肓に入る」からか?

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詩仙堂説明書

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詩仙堂御朱印

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京都一乗寺郵便局 ; 詩仙堂嘯月楼、決闘の地・一乗寺下り松の碑 (2003年以前)
京都一乗寺郵便局 ; 詩仙堂、宮本武蔵と吉岡一門決闘の地・一乗寺下り松、宮本武蔵像

[参考書]

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