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金福寺(京都市左京区) 芭蕉と蕪村と村山たか女

2019.12.23(22:59) 513

寒風にあらず(2019.12.6)

<コース>
京阪淀屋橋 → (京阪電鉄) → 出町柳 → (叡山電鉄) → 一乗寺 → 徒歩8分 → 詩仙堂 → 徒歩5分 → 北山別院 → 徒歩5分 → 金福寺

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佛日山 金福寺(臨済宗南禅寺派)

 北山別院の後は、案内板に従って細い道を行く事5分。

以前にこの辺りを巡礼した際には見過ごしてしまいましたが、

今回は無事に行き着くことができました。

 佛日山金福寺(ぶつにちざんこんぷくじ)は、

『貞観6年(864年)、安恵僧都が慈覚大師・円仁の遺志により創建。

大師自作の観音像を本尊として安置した。始めは天台宗寺院であったが一時荒廃。

江戸中期に圓光寺の沢雲長老の法嗣・鉄舟和尚が再興し、

臨済宗南禅寺派となり今日に至っている。』 とあります。

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金福寺入口

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寺標と山門

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山門屋根の紅葉

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山門正面の庫裏
ここで御朱印を拝受する。

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由来書

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受付後、中門をくぐる

 古刹であり借景を取り入れた庭園は見応えはありますが、

境内はそれ程広くはありません。

それでも有名な観光寺院になっているのは二つの理由があります。

 一つは俳句の聖地として。

再興した鉄舟和尚と親交のあった松尾芭蕉が、京都を訪れた際に

本堂裏の草庵で俳諧を語ったと言われ後世に芭蕉庵と呼ばれました。

その後、庵は荒廃しますが芭蕉を敬愛する与謝蕪村とその一門が安永5年(1776年)に再興。

蕪村は42歳以降68歳で亡くなるまで京都に居住したので、

京都俳諧に与えた影響は大だったと思えます。境内には句碑や蕪村の墓もあり、

芭蕉と蕪村の所縁の寺ということで俳句の聖地となりました。

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中門を振り返る

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中門脇の満天星

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庭園越しに見る本堂

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本堂内にある蕪村が描いた芭蕉翁の画
芭蕉が描いた蕪村の画ならば途轍もない宝物になるが…。

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本堂拝観後は庭園を見ながら石段を上る

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石段途中の庭園

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石段上部の庭園
向こうに見えるのが芭蕉庵

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石段上から見た道を振り返る

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蕪村が再興した芭蕉庵

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芭蕉庵内部
利休作の待庵に似た三畳台目の茶室である。

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芭蕉庵由来

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庵を過ぎ山手へ

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高台にある蕪村の墓

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芭蕉句碑
・憂き我を さびしがらせよ 閑古鳥

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こちらは蕪村の句碑

 今一つは、幕末の村山たか女。

多賀大社の寺坊の娘として生まれた彼女は祇園の芸妓を経て

彦根藩主井伊直弼の側近となり、長野主膳と共に直弼の「安政の大獄」に協力しました。

そのため勤王方からの恨みを買い、桜田門外の変の後は捕らえられ

京都三条河原で生晒にされました。しかし三日後に助けられ、

たか女は文久2年尼として金福寺に入り、明治9年に67歳の生涯を終えたと伝わります。

歴史の教科書には登場しませんが舟橋聖一『花の生涯』、

諸田玲子『奸婦にあらず』のヒロインとして登場。

舟橋作品では稀代の悪女として、諸田作品では反悪女として

全く逆の面で描かれているのもミステリアスです。

『花の生涯』は第一回NHK大河ドラマだった事もあり

悪女の印象が未だに付き纏いますが、今後は復権しそうな気もします。

『花の生涯』は井伊直弼が主人公ですが、脇役であったたか女が『花の生涯』を送ったとも言えそうです。

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本堂内にある、村山たか女の関連資料
掛け軸は長野主膳の肖像画。

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山門脇のたか女創建の弁天堂

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弁天堂由緒

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金福寺説明書

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金福寺御朱印

[参考書]

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