<コース>
近鉄上本町 → 石切 → 徒歩40分 → 興法寺

鷲尾山 興法寺(真言宗醍醐派 準別格本山 河内西国三十三ヵ所第二十六番札所)
生まれて半世紀以上経ちますが、雛祭りには縁があっても端午の節句には縁が薄い。
普通ならばGW明けに備えて自宅でじっとすべきでしょうが、
流石に待機4日目ともなると外の【大気】が吸いたくなって近場を散歩。
以前の巡礼先で『河内西国霊場』というのがあるらしいとの事。
江戸時代に成立しましたが、その後忘却され昭和5年(1930年)に復活するも戦争で没。
再度復活したのは昭和51年(1976年)の事でした。
札所33番、客番4番の計37ヵ所で片町線以南にあります。
中河内、南河内はきついですが、北河内なら程よい距離なので、
この日は三密を避けて家から石切までサイクリング。
石切駅すぐ西側にも札所の千手寺がありましたが、生憎コロナで閉門。
「こんな時期にこそ、御参りに来られる方も多いですが、申し訳ございません。」
と門扉に貼付された御住職の言葉は胸に迫るものがありました。
駅自体かなり高台にありますが興法寺は石切駅から2㎞。
近畿自動車道に沿っての南下は楽ですが、近鉄生駒線に沿っての東行きは予想外の急な登り。
端午の節句なので【濃い登り】なのでしょうが、やはり予想通りには【いこません】。
途中の参道は明治の頃に「四国八十八ヵ所霊場巡り」を模した
ミニチュア石仏が寄進され今も残っています。
いずれも2体1組で、左に弘法大師像、右に札所寺院の御本尊が並んでいるのが特徴。

途中から市街地を振り返る

このような参道を2㎞上る

参道の石仏

参道脇の躑躅
音川の清流に沿ってツツジ、シャガ(射干)を見ながら40分で到着。
神仏習合の影響か、石の鳥居の奥に山門がありました。
ここも閉鎖ならば眼も当てられませんが運よく開門。
これも御仏のお導きでしょう。【お釈迦】にならずに済みました。

漸く石段の先に寺院の影が

石段脇の射干(シャガ)

石垣の上に建つ寺院

石鳥居の奥に山門が見える
鷲尾山興法寺(わしおさんこうほうじ)は、
『標高400mの生駒山山腹に建つ山岳寺院。
役行者の創建と伝わり、本尊が製作安置された平安時代には建立されていた。
修験道場として行基や空海もここで修業したと言われている。
南北朝時代1348年の正平の戦いで焼失。
その後、河内国守護となった畠山基国に拠って再建された。
応仁の乱の1467年に再び焼失し、永禄年間の1563年に大西丹後守入道浄味により復旧されるが、
その後も度々火災に遭い江戸時代に再建された。』 とあります。
山岳寺院らしく境内には鬱蒼とした樹木があり、建物自体も木に囲まれています。
そのため建物単独を撮影するのは難しいですが、
何も撮影や写生に向けて建てられた訳ではないので、これが本来の姿でしょう。

興法寺由緒

境内から山門を振り返る

入って右手にある聖天堂
山門を入って直ぐあるのは大聖歓喜天を祀る聖天堂で、
その奥が三面十一面千手観音を祀る本堂。
本堂がメインの筈ですが、規模も場所も聖天堂がメイン。
何でも参道を進むと生駒越えの一つ、辻子(谷)越えとなって居り、
近鉄が生駒山を通るまでは西の聖天さんである興法寺を経て
東の聖天さん「生駒山宝山寺」に至る巡礼の道として大いに賑わったそうです。
近鉄とケーブルの通っている宝山寺は今も賑わっていますが、
興法寺はハイキングの途中で訪れる人が目に付く程度。
やはり現代の巡礼には交通の便がポイントなのでしょう。
御朱印を頂いた住職夫人の話ではここも神仏習合だそう。
従来の信仰形態を今に伝えるようでした。

正面から見た聖天堂
弘仁2年(815年)にこの地で修業した弘法大師が役行者に授けられた大聖歓喜天像を祀るため堂を建てたのが嚆矢。

扉に描かれた寺紋
聖天の印・大根と巾着が描かれている。

聖天堂前から見た境内

青銅の灯籠の奥にある本堂

本堂前面

本堂の「鷲尾山」の扁額

本尊の楠材一木造の三面十一面千手観世音菩薩 (説明書より引用)
全長172㎝で、行基が婆羅門伝来の栴檀(白檀)をもって刻んだと伝わる。

本堂の向かいにある護摩堂

烏枢沙摩明王 (説明書より引用)
護摩堂の本尊で室町期の作とされる。不浄を消し去るトイレの神様。

興法寺由緒

興法寺御朱印
聖天堂にて拝受。
参拝後は石切方面に戻りましたが、興法寺まで来ると生駒山頂まで1㎞足らず。
これ【なら】チャリで【往こま】できそうです。帰りは下りのため楽でしたが、
途中に辻子谷水車があったので見学を兼ねて一服。
昔は水車動力を各種和漢薬の粉末加工に用いた様ですが、電力普及に伴い衰頽。
途中に製薬会社が2社あり漢方薬の香りがしたのはその名残。
但し水車は観光用の復活なので和漢薬には使用されず。
こういうのを【粉末】転倒と言うのでしょうね!

参道脇の白瀧白龍王
ここで勤行を行う?

辻子谷の復元水車
[参考書]
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