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須原宿 (長野県木曽郡大桑村須原)

2021.09.19(21:35) 959

清水と水舟が迎える木曽谷の宿場(2021.7.23)

<コース>
【往路】JR糸魚川(6:00) → JR南小谷(7:20→7:27) → JR豊科(9:11)

JR豊科 → 徒歩7分 → 法蔵寺 → JR豊科(10:15) → JR松本(10:35→10:40) → JR岡谷(11:13→12:26) → JR塩尻(12:36→13:08) → JR須原(14:22) → 徒歩5分 → 須原宿

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須原宿(中山道第三十九宿)

 諏訪湖付近を列車で回った後は丁度昼時。「うなぎの町」として有名な岡谷市ですが、乗換えの都合で泣く泣く塩尻に戻り

中央西線で名古屋まで向かう事に。鰻のようにニョロッと逃げられてしまいましたが、塩尻駅には以前にもお世話になった

蕎麦店の桔梗が健在。30分の待ち時間で昼食を済ますことができました。

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JR塩尻駅構内の桔梗にて「とろろそば」を

 木曽川に沿った線路は旧中山道に沿った道でもあります。塩尻を過ぎて最初の宿場贄川から中津川までが所謂木曽路。

駅名の改称が進む昨今、旧中山道の宿場名を残した駅は貴重な存在ですが、如何せん日中の電車の本数が少ないのが

致命的。

ほとんどの駅が普通した停車せず、2~3時間待ちはざら。前もって拝観と電車の時間の配分を決めておかないといけません。

 この日はJR須原駅で下車して宿場・名刹を見た後、徒歩で次の野尻宿のあるJR大桑駅まで。電車間隔が2時間と程よい

時間でもあったのが幸運でした。

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JR中央本線須原駅舎
無人駅である。

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駅前の道路を大桑方面へ
この先で旧中山道に合流する。

 中山道須原宿は、

『戦国時代には宿場が成立していたが、場所は現在地より低い木曽川の川岸にあった。

正徳5年1715年の洪水で流出したため高台の富岡と呼ばれた現在地に移転。享保2年1717年に完了している。

新しい設計で造られた宿場で町幅五間。中央に用水路を通し、宿場の両端は桝形に曲げている他、中央付近で往還を

くの字型に曲げている。裏山から引いた豊富な湧き水で七ヵ所の水場を設け、十数軒ずつの共同井戸とした。

清水が湧く宿場町として軒先には丸太を刳り抜いた水舟が置かれ、野菜や果物を浮かべる情緒豊かな光景を今に伝える。

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合流地点にある武家屋敷のような立派な門構えの家
この前が旧中山道に当たる。

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上町下付近の清水
飲用できるので暑い時には重宝される。

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本町にある本陣跡
木村平左衛門とある。

 中心部は本町付近で、左手に本陣の木村氏、右に脇本陣の西尾氏があり、問屋と庄屋を兼ねていた。

天保14年(1843年)には宿場内人別は740人、家数は104軒、旅籠屋は24軒あったという。

この辺りは耕地が少なく宿場の諸業務に加え、木材の伐り出しや運材に従事する者が多かった。ここには梅・桃・桜などの

花漬を売る大和屋という店があり、幸田露伴の『風流仏』にも登場する。元は本町右手にあったが、大正期に須原駅前に

移転した。』 とあります。

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脇本陣西尾家は今も健在
醸造業をされている模様。

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脇本陣西尾家沿革

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須原宿石碑と水舟
水舟は木曽五木の一つ、サワラで造られている。

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正岡子規の歌碑

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日本名勝写生紀行の一節

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島崎藤村『ある女の生涯』の舞台となった清水医院跡

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中町付近の町並み

 無人のJR須原駅で下車して木曽川沿いに下りますが、初めての訪問なのに既視感が…。以前に大桑駅から野尻駅まで

中山道を歩いた時の記憶ですが、いずれも木曽川沿いの狭い平地にある宿場なので、似た外観になるのでしょう。

 戦国期には既にあったように木曽谷では最も早くから栄えた宿場町。理由は勿論、豊富な湧き水にあったと思われますが、

そんな由緒ある宿場も木曽川の洪水で移転。【一転】して木曾で一番新しくなったのは皮肉。

宿場の盛衰は【水物】と言うことでしょうね。

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茶屋町付近の家屋

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同じく茶屋町付近

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茶屋町付近から須原駅方面を見た所

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民宿すはらと家の前に置かれた水舟
今でも宿泊できるならば【すはら】しい!

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古い立派な造りの「かしわや」
西の桝形付近にある。

[参考書]

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